12月24日はクリスマスイブ。今日は日本海側のみならず太平洋側の一部にも雪の予報が出ているものの、サンタクロースは、どこまでホワイトクリスマスを運んでくるやら。歓びの節目に相応しい話題ではないが、この日は日本列島に深刻な打撃を与えた安政南海地震から数えて168年目でもある。
〈甚大な被害を出した安政の大地震〉
1854年12月24日(旧暦11月5日)、紀伊半島沖の南海トラフを震源に、M8.5の巨大地震が発生した。前日の12月23日には東海沖で(東海地震)も起きており、日本列島は二日続けて大地震に見舞われたことになる。
江戸幕府には文字どおり激震が走った。民衆は度重なる鳴動に天変地異として恐れ慄いた。当時の元号は嘉永だったが、あまりの厄災に幕府は安泰を祈願して安政に改元する。
だが地震は収まらない。翌年(1855年)には江戸の街を(安政江戸)大地震が襲った。続けざまの大災害に財政は逼迫、権力は衰退し、江戸幕府の崩壊と開国を早めたとも言われる。
南海トラフでの巨大地震には150年周期説がある。1944年の昭和東南海地震や1946年の昭和南海地震もそうだが、M8.2から8.4と、想定される規模よりもやや小さく、しかも東海沖にだけ未発なことから、「もうそろそろ」といった説が有力のようだ。
〈昭和南海地震〉
◆◇〈昭和南海地震は12月07日、昭和東南海地震は12月21日と、昭和に入っても『南海トラフ型地震は年末の12月だけ』である〉
168年に渡って蓄積されたエネルギーは計り知れない。東海、東南海、南海の3連動さえ現実味を帯びる。安政の地震では無事だった富士山も今度ばかりは油断できまい。1707年の宝永地震(宝永の大噴火)以来、300年の時を超えて噴くのではなかろうか。
安政の巨大地震にも予兆はあった。前年の1853年3月11日には小田原でM6.7、7月9日には伊賀上野でM7.1と大地震が続いていた。そして二つの巨大地震へと繋がってゆく。
地震だけではない。様々な前兆現象もあったようだ。主に安政江戸地震に関してだが、前日までの「利根川水系に位置する井戸の鳴動」、浅草や神田での「突然の湧き水騒動」などが書き残されている。ネズミの脱走やミミズの大量発生といった報告も数多くみられる。春夏ならともかく、厳冬の真只中にである。
〈気象庁3ヶ月予報〉
昨今の冬は寒暖差が激しい。だが今冬ばかりは少し様子が違う。ラニーニャの影響もあり低温で推移することが予想される。断続的な大雪にも警戒せねばならない。晩秋には各地から桜花の二度咲が数多く報告された。過落葉(塩害や害虫による被害)からの復元作用とはいえ、なにか嫌な予感さえ漂う。こうした怪奇(回帰)現象は樹木や草花だけではない。昆虫や動物のみならず人間にもあるようだ。
阪神淡路大震災の前、近畿地方(大阪府や兵庫県)に大地震はないと思われていた。被害地震に無縁だった神戸地区なら尚更である。ところが意外なことが判明する。なんと地震がないと思う筆頭各でもあった神戸市が地震保険の加入率で全国一だったという。
この頃は、河角広氏の唱える「関東地震69年周期説」もあり、国会でも度々審議されるなど「南関東が危ない」と騒がれていた。神戸市民の備えは、この首都圏の住民をも上回っていたことになる。当時はまだ地震保険など認知されていない。それでこれだ。しかもまだある。
我が国の少子化は1970年代から始まる。1990年代にはより深刻になっていた。それも大都市ほど顕著だ。神戸市とて例外ではない。それが震災直後から出生率の上昇が見られる。僅かとはいえ全国平均をも上回っているのだ。
これが何を意味するだろうか。生命体は種の保存本能を内在している。危難を前に、このスイッチが入ったとしても不思議ではない。その後、元に戻っていることからも、やはり事前感受と考えるのが合理的であろう。
因みに、年末に日本列島を襲った巨大地震は安政年間だけではない。昭和の南海や東南海地震の他にも元禄地震(1703年12月31日)が関東地方を直撃している。南海トラフでなく相模トラフでの発生とはいえ、M8超の巨大地震であり、規模的には関東大震災より遥かに大きい。しかも、1707年に富士山を噴火させた『宝永地震=宝永大噴火』へと続いてゆく。
年の瀬は慌ただしい。クリスマス、冬休み、帰省、旅行、年末から年始と、一年で最も防災意識の薄れる時期でもある。交通事故に火災、盗難といった犯罪被害も、この時期に限って多い。だが、一番の厄介者は地震であろう。「天災は忘れた頃に」というように、慌ただしい季節ほど『要警戒』といったところか。
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《余談》
【世にも不思議なXマス競奏曲】
我が国は世界有数の仏教国だ。だから寺院も数多く仏教徒も多い。しかし問題も山積している。少子高齢化と、それに伴う人口の急減である。檀家不足著しく法事がない。あっても後継者不足から法事そのものができない。最たる収入源でもある『お布施』が絶たれてしまっては食うことさえできないのだ。
街中の寺院はいい。副(本)業がある。だから、市役所や学校であったり民間企業の社員であったりと、様々な職種で働いている。とりわけ目につくのが幼稚園の経営だろうか。少子化とはいえ保育士不足もあって、どこもかしこも入園待ちが相次ぐほどに活況を呈している。
(この十年に約2割も減った寺院数にあって幼稚園を経営するお寺は1099箇所に及ぶ)
そもそも寺院とは(釈迦)仏の教えを説くところである。それが、この時期だけは大分様相が違う。お寺の境内では園児達が大きな声で『ジングルベル』を合唱しているではないか。『きよしこの夜』や『聖者が街にやってくる』といったメロディまでが聞こえてくる。そっと覗いてみると更に吹き出しそうな光景が・・。なんと、サンタクロースは、あの住職なのだ。一体、ここは何処なのだろうか。
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《おまけ》
【三つの間違い探し】
❓❓❓❓❓❓
※ヒント=クロース⇆サンタ
「皆様も、良い🌲クリスマスを・・」