【日本産食材『安全神話』の裏で】
昭和30から40年代、農地の至るところに小さな赤い布切れが括り付けられていた。毒物危険を示す旗印だ。それもパラチオンガ圧倒的に多い。パラチオンは深刻な中毒を引き起こすのみならず、犯罪(殺人)にも多用されたことから1971年以降は使用禁止になっている。今では、さすがにこうした劇薬は使わなくなったが、見た目重視の消費者志向は無視できない。その後も新たな農薬が開発され使われてゆく。
食の安全が叫ばれて久しい。だがら外国産の食材は買わない。買うなら“安全安心”の国産に限る。誰もが、こう思っているが、果たして本当だろうか。農薬の使用量をみると恐ろしい実態が浮かび上がる。
生鮮売り場に並ぶ野菜はどれも型崩れがない。芸術品かと見間違うほどに整っている。勿論、虫なんて付いていない。一匹でもいようものなら、クレームの雨嵐で、お客様担当係は汗だくで対応に追われることだろう。
日本の消費者は世界一うるさい。微細な欠損さえ許さない。販路を独自に開拓した一部の生産者を除き無農薬では流通に乗せることさえ出来ない。農業従事者の苦労たるや如何許りか。
この無農薬もなかなか難しい。親戚の百姓が「無農薬で野菜なんて作れっこねーべな」というように土壌自体が汚染されている。3年間の未使用規準(ポスト・ハーベスト)があるにせよ、僅かな期間にどれだけ除染出来ることか。
結果として消費者に迎合し、農薬を使って安全安心、いや見た目本位の心配不安な作物を生産することになる。本当に日本の食は世界一安全なのだろうか。もしや真逆ではないのか。
耕地面積1ha当たりの農薬使用料(kg)国別ランキングを見ていただきたい。
(1)日本、1467kg
(2)韓国、1129kg
(3)オランダ、821kg
(4)イタリア、702kg
(5)イギリス、444kg
(6)フランス、401kg
(7)ドイツ、245kg
(8)スペイン、226kg
(9)アメリカ、171kg
(10)デンマーク、130kg
以下、オーストラリア、カナダ‥‥
このように日本は世界一の農薬大国でもある。
最近では、食の安全も大切だが、農作物の輸出拡大にも力を注ぐ。しかし問題も多い。島国である我が国は害虫の進入を警戒するが諸外国は残留農薬に厳しい。日本人が安全を確信して口にする食材も、一方では有害と見なされ、輸入禁止になるケースが後を絶たないという。
「買うなら国産がいいよ」
「何てったって安心だしね」
「綺麗だし、それに曲がってもいない」
「虫なんて絶対に付いていないんだから」
「やっぱり国産に優るものはないよ」
これって本当に安全安心なのだろうか。上記のランキングは、やや改善され、現在では中国や韓国を下回るのではとする説もあるが、真相はどうあれ、依然として世界屈指の農薬天国であることに変わりはない。
(日本人だけが増え続ける癌死亡率の怪)
大手小売業の販売戦略か、流通の問題なのか、はては見掛けでしか選べなくなった消費者に責任があるのか。何れにせよ、食べる側(消費者)のみならず、作る方(農業従事者)も大変な被害者であるということだ。
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《おまけ》
〈🐗🐗鍋物語り〉
「ん?? なんじゃこれは・・🤔」
「『美味しい😋猪鍋あります』って書いてあるんかのう」
「『美味しい😋猪鍋あります』って書いてあるんかのう」
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《余談》
【これって季節雲?それとも??】
『昨日の早朝、こんな雲が出ていた』
〈天空を貫く長大な帯雲〉
季節雲か、それとも地震雲かと問えば、多くは季節雲と答える。確かに地震雲なんて定義はない。季節の変わり目に雲は様々な顔を見せる。四季の中でも秋はことに多彩だ。しかし、これだけ鮮明なのも珍しい。
雲の生成には理由がある。風であり、気温であり、そして気圧だ。風で流され、温度や湿度の変化で、凝縮と解放を繰り返す。だが一番の要素は磁場にある。
子供の頃、こんな遊びをしたことはないだろうか。下敷きの上に砂鉄を置く。下から磁石をあてがう。下敷きの上に出来る多様な形状を楽しむ。これは誰でもやった経験があると思う。
私たちの住むこの地球だって巨大な磁石に過ぎない。だから北極と南極が存在する。そして地表では雲が様々な紋様を形作る。磁場が真下なら集合し、両極にあれば分離する。棒状なら一直線に並び、磁場次第でその形を変えるといった具合いだ。いわば、生成は気象でも、形成、、ことに幾何学的な紋様ほど磁場なしには生まれないのだ。
ならば地震雲があっても不思議ではあるまい。断層の歪みは強い磁力を生み、そして空高く放出する。だが観測は至って難しい。季節的要因や日常的な気象現象に惑わされてしまう。唯一、方法があるなら、気象変化で起き得るであろう全ての条件を消去せねばならない。
冒頭の写真(の雲)は航路に位置していない。早朝から暫くの間滞留していた。指向先は西北西から東南東。晩秋を彩る単なる気象現象か、それとも磁場に起因したものなのか・・。地震活動が活発化しているだけに気掛かりではあるが、はて??