中国製品を購入して「失敗した」経験をお持ちの方は多いと思う。長持ちしない。直ぐに壊れる。補修しようにも部品がない、、など様々である。でも「2度と買うまい」と思っても、結局は、また買わされているから面白い。
かつて日本製にも同じような時代があった。全ては模倣品に近い。安かろう悪かろうの代名詞とされ、マネシタ電器や買ってソンニーと揶揄された時代だ。高度成長を経て一流ブランドに名を変えたものの、こう した下地があったからこそ今があるのも否めない。
以前、TV番組で中国製が如何に粗悪品かを取り上げていた。100円ショップで購入した包丁が切れないという。方や国産の、それも名品を持ち出し、日本人の職人技がどれほど優れているかを絶賛していた。中国の直刀は日本刀の原型でもある。国宝級の鍛冶職人は数知れず、高価な刃物なら数十万円もするのに、どうして100円の品と比較するのだろうか。
数年前(2018年)家電業界に激震が走った。シャープが国内で製造している白物家電からの全面撤退を表明したのだ。生産拠点は全て中国や東南アジアに移すとのこと。家電は戦後の我が国を支えた基幹産業でもある。産業の盛衰は歴史的宿命とはいえ、これで純然たる“国産”は実質的に消え失せたことになる。
《日中貿易額の推移》
(アメリカがくしゃみをすれば日本が風邪をひくと言われたのも遠い昔。今や日本経済も中国なくして成り立たない悲しき実態)
シャープに限ったことではない。既に「国産」なんて存在しない。国産とはいえ、あくまてOEMであり、現地(中国や東南アジア)生産に過ぎない。言わば、中国製のメード・イン・ジャパンと、純粋な中国製に分化しただけなのだ。それをどう曲解したのか、国産は良品、外国産は全て粗悪品になってしまった。
スマホを例にあげるまでもなく、国内市場まで、サムスン電子(韓国)やファーウェイ(中国)に席巻された。十数年前、誰が韓国や中国製を使おうと思ったろうか。選ぶ理由はただひとつ、「安くなくなった」ことだ。高機能、高性能に転化し安かろう悪かろうを払拭させたことにある。
日本製だって然り。「安いだけ」なら何も変わらない。100円包丁を買って劣化と切れ味の悪さを嘆いているようなものだ。白物家電だけではない。パソコンにせよ、もう日本国内では製造していない。原産国はメード・イン・チャイナであり、アジア各国なのである。
もし、国産と同じ価格の外国製品(主にアジア)なら、どちらを選ぶだろうか。所得水準や安価な製造コストからして後者の方が遥かに高付加価値かも知れない。それでも“日本製”の響きには勝てない。こうして、どちらにせよ中国(外国)製を買わされている哀れな現実。
利益至上主義の社会にあって、安くて良質な製品など滅多に存在しない。安かろう悪かろうは、どの時代にも登場する。国民総貧困化の時代、同じグレードで20万円と5万円なら、かなりの者が4分の1(の価格の方)を選択するだろう。それでも性能も耐用年数も半分なら儲けたと諦めるべきか。
因みに、最近の製品は、多機能を理由に高額になる傾向にある。洗濯機ひとつ取っても、どこまで(全機能を)使いこなしているやら。今や我が国の所得水準は決して高くない。簡素化することで、どこにも負けない「安くて良い」製品を創り出すことができるはずだ。そして国内で生産する。高い技術水準からして十分に可能だと思うのだが・・。
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《追記》
日用雑貨や家電だけではない。3Dプリンターやドローン、太陽光発電といった、ハイテクの分野までが中国の独壇場なりつつある。自動車産業などは最たるもので、EV化を足場に、その成長は止まるところを知らない。『安かろう悪かろうは』昔話。今や日の丸の牙城にまで“侵略”を始めた。
佐川急便は昨年、配送用の軽自動車約7200台を順次、この9月から中国製電気自動車(EV)に切り替えると表明。宅配だけではない。トラックや大型バスが後に続く。乗用車市場に参入するのも時間の問題であろう。これとて『安かろう悪かろう』で済むか否か。無警戒の間に情報機器の二の舞いにならねば良いが・・。
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《おまけ》
【プロ野球ストーブリーグ波高し】
〈FA市場でも苦戦続きの読売巨人軍〉
「やはり、あの○○問題が大きいんでないかい」
「この際、球団名を変えたらどうかのう」
「この度、我が巨人軍は『読売ジャイアンツ』から『裏読ジェントルマンズ』に改名致しましたのでアシカらず、な〜んて・・」
「寒っ!!😓」