◆∞◆∞◆∞◆∞◆∞◆∞◆


 貴方の今いる場所から最も遠いところはどこでしょう? 答えは、ブラジルでもアルゼンチンでもありません。貴方自身の背中なのです。貴方の視線の約4万キロ(地球一周)の彼方には貴方自身の背中があるのです。

(はやぶさから見た地)
(JAXAより)

 ◆∞◆∞◆∞◆∞◆∞◆∞◆

 あるところに、宇宙だって同じだ、と信じて疑わない「真丸 円吉」という頑固者がいました。円吉は「地球で最も遠いのが背中なら宇宙の果てだって背中なのだ」と考えたのです。

 でも残念ながら立証するだけの手立てがありません。円吉は大きな壁にぶち当たりました。

 「なんとか、この壁を乗り越えなければ」

 『壁⊥壁⊥⊥壁⊥⊥⊥』

 のしかかる壁の重みが突然に円吉の思考を揺さぶりました。

 「そうだ、壁なのだ!」

 円吉はひらめいたのです。

 こうして円吉は壁の奥深くまで見通せる無限拡大鏡の開発に着手しました。その性能たるや電子顕微鏡の比ではありません。素粒子の先々まで解明しようというのですから。

 苦心惨憺、長い年月を要したものの、無限拡大鏡は遂に完成。早速、円吉は自らの皮膚の一部を剥ぎ取って、それを無限拡大鏡に接着しました。一体、何をしようというのでしょうか。

 さあさあ拡大の始まり始まりー。皮膚は細胞を経て、分子、原子、中性子と拡大に拡大を重ねました。そして素粒子も極限へ。でも終わりではありません。さらに拡大を続けました。すると未知の素粒子が次々と現れました。

 「科学など未熟なものよ」と悦に入っていると、ワオ~、、、遥か先に微かな光りが差して来たではありませんか。

 「こりゃ~何なんだい?」

 円吉は腰を抜かさんばかりに驚きました。それでも興味は増すばかり。恐る恐る拡大を続けてゆくと、「なんてこった!」、今度は目前に大星雲が現れたのです。

〈銀河系〉
(画像はネットから借用)

 もう止まりません。大星雲は銀河系に、銀河を拡大すると、そこには太陽とよく似た光り輝く恒星が迫って来ました。恒星の3つ目の外周には地球とおぼしき惑星が回り、惑星には陸地が、陸地の街の片隅からは古ぼけた家屋までが見えてきました。

 さあ仕上げです。古ぼけた家屋の中を覗いた円吉は雄叫びをあげました。

 「やったぞー!」

 拡大鏡はついに円吉の背中を捉えたのです。

 《《《ナゾの人》》》

 円吉は一躍、時の人になりました。その功績は世界を駆け巡りました。でも世の中、そんなに甘いものではありません。功績が大きければ大きいほど、その賞賛に反して、ひがみや妬みも多いものです。

 「背中だけじゃ分からん」「表を見せろ!」「顔を出せ!!」といった声が日増しに大きくなりました。

 円吉は予想外の展開に戸惑いました。なんとかしたくとも、こればかりはどうにもなりません。唯一の方々は、逆に縮小を繰り返すことで元の状況を再現することですが、これが難しいのなんの。。

 それでも「やって見なきゃ分からん」とばかりに一か八かの賭けで縮小を試してみた円吉でしたが・・。

 ● ● ・ ・ ・ 目

 「あれ~!?」

 「ここはどこだ?」「 真っ暗闇だぞ!」

 もう、なーんにも見えません。なにが、どうなっているのやら。

 どうやら、拡大の極地(背中)を縮小したため、無限の世界に放り込まれてしまった様子でした。これこそ宇宙創造以前の姿なのです。

 円吉にとっては『無』を実感するまたとない機会。それは『宇宙は丸い』を証明する絶好のチャンスでもあったのですが・・。

 >★>★> ここは宇宙の果て? いや宇宙創造以前の世界なのです。時間も空間もありません。もちろん意思もありません。ですから証明なんて、とても『無∞無∞∞無∞∞∞』なんですって。

 「トホホ!」

◇◇◇◇◇◇◇◇♢♢♢♢

《小さく小さく小さくな〜れ》

〈〈親亀、子亀、孫亀、曾孫亀、玄孫亀・・〉〉

(左端の異物は大豆&米粒/要拡大)

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「婆さんや、その後は何て言うんかのう」

「爺さんや、出歯亀ってんじゃないかのう」

「・・・・ガーン

□□□□□□□□□□□□□□□

《余談》

【暗黒の世界へ一直線の日本経済】

 ロシアのウクライナ侵攻に端を発した混乱が止まらない。世界の隅々までに影響を及ぼし、それも拡大の一途にある。何より物価上昇が凄まじい。頻繁に書き換えられる値札を見るにつけ、あたかもハイパーインフレの様相である。これで、この先は大丈夫なのだろうか。

 財政運営は厳しくなるばかり。英国のトラス政権は一ヶ月あまりで退陣に追い込まれてしまった。日本だって他人事ではない。いや日本の方が深刻というべきか。円安、株安、債権安のトリプル安では日本国そのもが破綻しかねないのだ。

〈大恐慌時の経済指標〉
(ネットから借用)

 言うまでもなく『元凶はロシア』にある。制裁も当然であろう。だが限界も。こうした状況が続けば続くほど各国共に疲弊してしまう。戦闘が長引くことで世界経済への影響だって計り知れない。コロナで打ちひしがれた社会に大恐慌なら、もう収拾が付くまい。ならば、制裁一辺倒ではなく、ここは仲裁にも本腰を入れる時期に来ているのではなかろうか。

 しかし、日本の政治(外交)力の欠如は如何ともし難い。何事に於いても「米国と連携して」や「西側諸国と歩調を合わせて』一辺倒である。バブルの時代、欧米から激しい日本叩きに晒されたが、それでも「欧米と連携して」で押し通して失笑を買ったのを思い出す。もしやこの先、日本が制裁の標的になっても、「各国と連携して『日本制裁』に参加する」、、なーんて『お笑い』だけは御免被りたいものだが。