この8日、三陸沖を震源に、M5.5とM6.0の地震が続けて発生。この時期としては久しぶりに大きな規模である。揺れは東北地方一帯に及び各地で震度2〜3を観測。幸い大きな影響はなかったものの、2011年には(3月)9日のM7.3を起点に翌々日の本震へと繋がっているだけに、あの日の記憶を呼び覚ました方も多いのではないだろうか。更には10日午後にも福島県沖を震源に最大震度4の地震があった。
明日(3月11日)であの忌まわしい地震から15年。大津波に原発事故と従来の常識を覆すような大惨事でもあった。地震に関する報道も少ない。それまでは震災に関する特番も9月(関東大震災)と1月(阪神淡路大震災)に集中していた。発生確率も高いのは首都圏(直下)や南海トラフに関するものばかり。震源だけではない。心理的にも完全な空白域だったのである。
その3月も実は地震は多い。東日本大震災だけではない。1952年の十勝沖地震(M8.2)は3月4日であり、1933年に発生して甚大な被害(死者行方不明者数3064人)を生んだ昭和三陸地震(M8.1)も3月3日のことである。そう、この時期には、これまでにも大きな地震に遭遇しているのだ。ではどんな大地震があったのだろうか。明治以降に発生した地震を被害の大きな順に並べてみよう。
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《被害の大きな順》
(1)関東大震災、1923年9月1日、M7.9
(死者行方不明者数、105385人)
(2)東日本大震災、2011年3月11日、M9.0
(死者行方不明者数、22010人)
(3)明治三陸地震、1896年6月15日、M8.2
(死者行方不明者数、21959人)
(4)濃尾地震、1891年10月28日、M8.0
(死者行方不明者数、7273人)
(5)阪神淡路大震災、1995年1月17日、M7.3
(死者行方不明者数、6437人)
(6)福井地震、1948年6月28日、M7.1
(死者行方不明者数、3769人)
(7)昭和三陸地震、1933年3月3日、M8.1
(死者行方不明者数、3064人)
(8)北丹後地震、1927年3月7日、M7.3
(死者行方不明者数、2912人)
(9)三河地震、1945年1月13日、M6.8
(死者行方不明者数、1961人)
(10)昭和南海地震、1946年12月21日、M8.0
(死者行方不明者数、1443人)
(他)十勝沖地震、1952年3月4日、M8.2
(死者行方不明者数、33人)
このように被害の大きな地震10件の内、3回(十勝沖地震を含めれば4回)は3月に発生しており、東日本大震災だけでないことが分かる。しかも、今月の3日は、1933年に甚大な津波(28.7m)被害を出した昭和三陸地震から数えて93年目でもあった。
(311を彷彿させる昭和三陸地震)
昭和三陸地震は三陸海岸から200km以上離れた場所で発生した。東北地方一帯では震度5の強い揺れを観測したが直接の被害は少なかったとされる。しかし、押し寄せた大津波によって、東北大平洋沿岸に甚大な被害をもたらしている。いわゆるアウターライズ地震である。
この地震にも前触れはあった。
★1930年2月13日~伊東群発地震、M5.9
★1930年11月26日、北伊豆地震、M7.3
(三島で最大震度6、死者272人)
☆1931年2月20日、日本海北部で地震、M7.2
☆1931年3月9日、三陸沖で地震、M7.2
☆1931年9月21日、西埼玉地震、M6.9
(最大震度5、死者16人)
☆1931年11月2日、日向灘で地震、M7.1
(最大震度5、死者2人)
☆1932年9月23日、日本海北部で地震、M7.1
★印の通り、ここでも伊豆地方の鳴動を手始めに動き出していることが分かる。1923年に発生した関東大震災の余震である可能性は高いものの、他の大地震でも同様な傾向にあることから、既述の如く『伊豆起点説』も否定出来ないのではなかろうか。
伊豆地方が静かになって久しい。日本列島屈指の多発地帯にあって、これだけ少ないのは珍しいことだ。稀にはあるが、数ヶ月に1回程度で、それも小さなものばかり。群発地震も一時的には発生するものの大事に至らず終息している。
東日本大震災に至る過程では、2006年頃から伊豆半島東方沖で活発化した。2009年8月には駿河湾を震源とするM6.3の地震が発生し、伊東市では震度6弱を観測している。関東大震災や歴史に残る首都直下型の地震でも同じだ。何故か、日本列島に甚大な被害を及ぼす地震には、こうした伊豆地方、いわゆる富士火山帯が関わるケースが極めて多いことも忘れてはならない。
伊豆地方(島嶼部含む)の長きに渡る静けさが、安泰の証か、それとも嵐の前の静けさなのか。もし動き出すなら、それは懸念される巨大地震だけでなく『首都直下型地震』の前触れであるようにもみえる。ともあれ前者であれば何よりだが。
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《余談》
災いには不思議なことがある。疲弊した社会を狙い撃ちする如く同時期に集中して発生しているのだ。極右勢力の台頭著しく、こうした政変の渦中に発生したのが、あの関東大震災である。1944年から46年にかけての東南海、南海地震、そして三河地震も戦乱の真っ只中であった。東日本大震災も同じだ。リーマンショックから、1929年の恐慌以来とされる大不況が収まらぬ中で襲われている。今や憂慮すべきは戦争や地球温暖化だけではない。株価大暴落の兆しもあって世界同時不況の足音までがヒタヒタと迫っているのだから。
(EU各国だって然り。最大の同盟国たる英国でさえ基地使用に反対しており、トランプとの確執は深まるばかりにある。なのに日本は・・)
イスラエルと米軍のイラン奇襲攻撃から半月。理由はどうあれ戦争に正義はない。西側諸国でさえ一枚岩ではないことからも「終わり良ければ・・」で一件落着となるか否か。こうした中、某国(ん、どこ!?)だけが「非難すべきはイランの行動」と、トランプ支持を貫いている。憂慮を示す各国の首脳に反して、この国だけは「双方に自制を促す」とすら言わない。あくまで御主人様に従うだけの下僕なのである。これじゃ先が思いやられる。トランプ閣下のご乱心にまで迎合して新たな鬼哭に晒されないことを願うばかりだ。



