ジャニーズ問題を始め、松本人志問題に至っても、

TVの体質は変わらなかった。

これらの問題で、ワイドショーなどの司会を務めるタレントが

様々な意見を最もらしく話しているが、彼らは決して中立の第3者ではない。

TVに雇われている人だ。TVからギャラをもらっているのだ。

TVはいわば、彼らのスポンサー。

 

そんな彼らが本気でTVを批判するような(嫌われるような)ことを言うはずがない。

ましてや司会者という定職を失って良いわけがないのだ。

1回限りのゲストなら「もう呼ばれなくてもいいから

好きなこと言ってやろう」はあると思うが、

司会を務めている彼らにそれはない。

 

何らかTVに気を遣いながら、

最もらしく中立に聞こえるような話し方をするのだ。

特にお笑い芸人などは話のプロなのでそのあたりの技術は持っている。

それに視聴者は誤魔化されてしまうのだ。

 

さらに、ジャニーズ、松本仁志などは、

司会者タレントの仕事仲間なのだ。

仕事仲間を擁護したい感情が起こっても当然なのだ。

理屈では批判すべきと思っても、

どこかに仲間意識は絶対にある。

 

つまり、司会者タレント達は基本的に

TVと不祥事とされるタレントの味方なのだ。

いかにも視聴者目線で語らっているように見えるが

そうではない。そう見せているだけだ。

彼らの意見を素直に聞いてはいけないのだ。

 

しかし、TVをよく見る人ほど

彼らの意見に「なるほど、そうだ」と思ってしまう。

まさにTVの思うつぼなのだ。

 

物事は最も素朴に考えることが必要なのだ。

松本人志は、やましいことがあるから

記者会見をしなかったし、

記事差し止めもしなかった。できなかったのだ。

そうでなかればサッカーの選手のように

すぐに否定し、公的な手続きを採れば良いのだ。

 

また、タレント司会者は、

文春を批判する傾向にあるが、

TVを始めマスコミが報じないから文春が報じるのだ

ということが抜け落ちている。

それが分かっていれば文春批判などできないはずだ。

司会者をしているがジャーナリストではないし、

そういう気概もない。

 

彼らの役目はTV番組を盛り上げることだ。

盛り上げればギャラをもらえるのだ。

そのためには、「文春クソ」という構図で

TV信者の共感を煽る方が効果的なのだ。

 

ジャーナリズムを考えると日本のTVが

いかに幼稚でずる賢いかが分かる。

ジャニーズ問題でのBBCとの対比を見れば明らかだ。

日本のTVにはジャーナリズムはない。

そのくせ、昨今の事件を見ると未だに特権階級意識だ。

タレントは、そんなTVの中で仕事をしているのだ。

 

TVを見ていると司会者タレントが滑稽に見える。

「そんな幼稚な世界でお金をもらって

雇われているくせに何を偉そうに意見しているのだ」なんて思ってしまう。

 

日本の大衆のTV幻想もいい加減になくならないものかと思うが、

これがなくならないものだ。

上から与えられることが好きな国民性なのだ。

TV支配は、まだ当分続くのだろう。

しかし世代によってその辺の意識は違う。

あと5年もすれば大幅に変化してくるのではないか。