何がどうなってこうなったのかが良く分からない話だ。

賛否両論あるようだが、

ひとつ気になるのは、奥さんの実名を報道した新聞社のコメントだ。

ネットニュースに載っていた記事を見る限り、論理が無茶苦茶だ。

 

新聞社として人権問題はちゃんと考えているといったその口で

地方の一新聞社には有名人の感覚は分からないという。

ちゃんと考えているというのは、分かっているということではないのか?

他にも矛盾した返答が盛りだくさんなのだ。

 

この記事が間違ってないとすれば、

少なくともこの新聞社は、

良識を持って報道していない。

自らの規準を持たず「感覚は分からない」のに

すでに一般人となっている人の実名を報道した。

犯罪を犯したわけでもないのにだ。

ここに報道の良識はないと思う。

 

羽生さんが写真集を宣伝していることについて

マスコミを使っているくせに的な事を言っているようだが

バカではないのか。

ビジネスとして当たり前ではないか。

マスコミにいてそのビジネスのスタイルも分からないのだろうか。

 

写真集を作ったのは羽生さんではない。出版社だ。

羽生さんはそのビジネスの一環として宣伝”してあげている”のだ。

もちろん羽生さんにも契約金が入るだろうが、

おそらく一番儲かるのは出版社だ。

つまりマスコミではないか。

 

羽生さんの立場は難しいと思う。

一般人の奥さんを守りたいから名前を公表したくなかったのなら、

結婚自体の報告もしなくて良かったのではないかと思うが、

それはそれで結婚しないのか?とか興味が集まるだろう。

 

いずれにしても超有名人の羽生さんは、なにかと注目されてしまう。

有名税だという人もあるだろうが、

彼は有名になりたくってスケートをやってワケでもないだろう。

マスコミが報道して有名に”なってしまった”のだ。

 

きっと端から見ている以上に注目される苦しさがあるのだろう。

有名人でも、有名になりたかった人と仕方なく”なってしまった”人では、

注目されると言うことに対する許容性や耐性はかなり違うだろう。

人はそれぞれ性格が違う。

そういうことを許容できる程度も違って当然だ。

 

有名人はプライベートはないと思えというのは

完全に間違っている。

「有名人」の「有名状況」はすべて同じではないのだ。

人それぞれの方針が認められるべきだ。

プライベートも売りたい人はそうすれば良いし

プライベートは一切拒否も認められるべきだ。

それが人権なのではないのか。

 

働く人間のメンタルケアが問題視され、

「寄り添って」行くことが重視されているのに、

有名人は寄り添ってもらえないのだろうか。

仕方なく有名になってしまった人も耐えなければいけないのだろうか。

報道して有名にしてしまったのはマスコミだ。

本人が意図してやったわけではない。

 

それに今回の奥さんの実名報道は、

どれだけ公の利益になるのだろうか。

報道するべき情報なのか?

そもそも報道の自由とは、権力の監視であり、公共の利益のための自由だ。

実名報道したらマスコミが騒ぎ世間が騒ぎ、

羽生さんが公表しなかった意図は完全に崩れた。

その結果の離婚なのかどうか知らないが、

少なくとも公共の利益には何もなっていないのではないか。

利益を得たのは当の新聞社と今回の騒動を報道するマスコミやYoutuberだけだ。

 

まったく不幸なことだ。

羽生さんがおもちゃにされただけではないのか。

それが公共の利益と言えるのだろうか?

これだけの人を感動させてくれた人をそんな目に遭わせていいものだろうか。

 

新聞社は人としてどうなのかと思う。

報道するとどうなるか容易に想像がついたはずだ。

想像できなかったとしたらマスコミの資質がない。

すぐにやめるべきだ。

 

マスコミにはいろいろな人が働いているだろう。

良識を持った人もそうでない人も。

しかし、少なくともデスクや経営者には

良識を持った人がついてほしいものだ。

報道する前に人としてどうなのかを考える余裕のある人が就くべきだ。

しかし、現実はそうではないのだ。

ジャニーズ問題を見ても明らかだ。

 

世間の人にも良識を持った人とそうでない人がいる。

本当は、そうでない人が、なるほどねと

学習できるような報道をマスコミがするべきなのだろうが。

残念ながらマスコミも世間も同レベルなのだ。

 

羽生結弦という希代希なる才能を不幸にしてしまう国なのだ。

経済だけでなく文化性も劣化しているのだ。

宝塚の記者会見を見ると

あれだけの大きな会社に良識が備わっていないことが、

日本の暗い未来を暗示しているようでもある。