単車のメンテは「目的の作業をするための前段階として、いっけん関係ない別の作業が必要」な事があります。
例えばプラグを交換するのにタンクを外すとかありますよね。
そういう、「手順が多く複雑になる作業が多い」ものがいわゆる「整備性の悪い単車」となります。
車体の見た目でその傾向はおおかた分かるものでして、やはりネイキッド車よりはカウル車のほうが整備性は悪いです。さらに輪をかけて整備性が悪いのがスクーター。
そりゃ~スクーターはね。車体のほとんどがカウルに覆われているうえ、ユーティリティを最大に取るため、機械部分のスペースは削りに削られ、その制限下で主要部品はパズルのように組付けられてしまっていますので…
昔のワンダーシビックでいうところのMM思想ね。マン・マキシマム、メカ・ミニマム。
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前回の記事ではタイヤ交換を行いましたが、それと同時にやっておきたいことの1つが「セルモーターの脱着」でした。
私のマジェスティのセルモーターにメンテ履歴はなく、つまり10万km以上酷使しているのでいつ終わってもおかしくないのです…てゆーか過去のマジェスティでは5~8万kmで終わってたんですけどね…かろうじて現在、私のマジェスティにセルモーターの不調は起こっていません。
でもどう考えても時間の問題です。
この心配を払拭するにはもちろんメンテ。具体的には内部のブラシを新品に交換するしかないのですが、まだ部品を手配してないんですよ。
セルモーターはブラシ残量が充分あっても不動になる事があり、その場合「本体を物理的に叩く」ことで一時的に復活します。これは内部でブラシカスがブラシのスライド溝に詰まっているのを衝撃で落とすからなんですが、すなわち分解清掃をすればブラシの寿命を最大限生かせる事が期待できます。コレをやっておきたかったワケです。
ではなぜタイヤ交換のタイミングになったか。それはマジェスティ4D9のセルモーターとケーブルは「リヤホイールを外さないと脱着出来ない」からです。
セルモーターはクランクケースから2cmくらいまっすぐ引き抜かないと外れない構造なのですが、接続されているケーブルがカバーで厳重に覆われており(走行中の泥水をマトモに浴びる場所を通っている)、本体を止めているボルトを外してもケーブルをフリーにしない限り全く動きません。
厄介なことにセルモーター端子のナットと配線カバー固定ボルトが、リヤホイールを外さないとマトモに触ることが出来ない位置にあるんです。目視も困難。
「たかがケーブルでしょ?本体端子だけ手探りでなんとか外せばいけるんじゃないの」と侮ってはなりませぬ。セルモーターのケーブルは大電流が流れるため特別に太くされていて、灯火類に使われている細いケーブルのようにクネクネ曲がりません。そのカタさゆえ、扱いが悪いと銅線が脆くなって最悪「折れ」たりするんですよ。
ちなみにセルモーターを新品に交換してスイッチもリレーもバッテリーも問題ないのに回ったり回らなかったりする不調が治らない時はケーブルが中で折れてます。たまに火を噴きます。
ここまででもたいがい面倒事なのがわかると思いますが、セルモーターを外すには、さらになんとオイルまで抜かねばなりませぬ。
マジェスティ4D9のセルモーターはクランクケースの底、ほぼオイルパンと同レベルに付いています。なにもせず引っこ抜くとオイルがだばだば漏れちゃうんですよ。
すなわち「オイル交換」も同時にしないといけないのです。
先代までのマジェスティではクランクケースの上にセルモーターが付いていたのでこの問題は無かったのですが、4D9ではその位置にYCC-ACモーターが鎮座しているのでセルモーターは僻地に追いやられてしまったワケ。
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尋常ではない労力を掛け、やっと外したセルモ―ター。
セルモーターの首が挿さってた場所。周辺には長年の泥が堆積していたので掃除しておきました。
さあモーターバラすでぇ~。
…ってアレ?ボルト頭が小さいんじゃない??
コレ対辺7mmの六角でした。そういや先代マジェスティもそうだった。でもそんなサイズのメガネなんか持ってませんてば。近所のホームセンターに走ろうと思ったけど、もし置いてなかったら時間のロスになるね。
手持ちの道具でやるか。
モーター表面から沈んだ位置に頭があるためモンキーレンチでは掴めても回せないです。なもんでバイスグリップでタテにつまんで回してみたらば本体と干渉してグリップが抜けた…と同時に軽く舐めてしまいました。
今回はムリ!諦める!
ここまできて中断とか普通の人はしないんだろうけど、予想と違ったことをムリに押しとおしても碌な目にあいません。
いやバラすのは何とでも出来ますよ。けどね、復旧出来ないかも知れないじゃないすか。そしたらまたしばらく不動車に成り下がる。それだけはイヤダ。
これはちゃんと道具と部品(ブラシやボルトやOリング)をキッチリ揃えて再トライするしかないネ。
(´-ω-`)
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とまあ、仁義なき戦いの広島抗争なみに何の実りもないまま、セルモーターを元に戻すハメになりました。
ケーブルと本体を繋いでいるゴムキャップはしっかり嵌めこんでおかないと走行中の泥水が入り込んでエライ目に遭うので念入りに確認します。これもリヤホイールが付いてたら見えません。手探りではムリですぜ。
セルモーターを元通り取り付けたらオイルを入れるのですが、実は私、普段自分でタイヤ交換だの足回りメンテだのやってるワリにオイル交換だけは自分でやっていないのです。だって所有車が全てレッドバロンのオイルリザーブ加入車なので自分でやる機会なんかありませんもの。
今回は自分の家でオイルを抜いたので、とうぜん自分でオイルを買ってこないといけなかったです(レッドバロンのオイルは単品で持ち帰る事はできません)。
しかし10年近く「エンジンオイルを買う」行為をしていないくらい超~久々なため「どんなオイルを買っていいのか」のレベルから分かりません。
フォークオイルはしょっちゅう買っていますけど。
まあどうせ2りんかんに多くの銘柄が揃ってるから行ってから悩めばよろしいと、YAMAHA純正オイルから探したのですがもうビックリ。
「エンジンオイル、高っ!」
恥ずかしながら私の中では漠然と1㍑=1千円ていどの感覚だったんですよ。しかしほとんどの銘柄が2千円前後かそれ以上の価格。そりゃ高いオイル選べば良いんだろうけど、スクーターのエンジンって変速機もクラッチも入ってないんですよね。ピストンとクランクだけ。
常用回転数も7,000rpmを超える事はまずないし。
さすがにホームセンターの「自動車用」格安オイルなんかは絶対に選ばないですが、確かな「二輪車用」でありさえすれば高級オイルの必要はないと判断したので、2りんかん店頭の中でも安い価格帯のものにしました。
MOTORHEAD RS-1
(2りんかんオリジナルブランド)
1㍑=1,480円 2缶購入
いちおう全合成油だそうです。
あとでwebインプレ探してみたんですけどほとんど見つかりませんでした。まあオイルに徹底的にこだわる人は最初からこういうオイルは選ばないだろうし。
マジェスティ4D9のオイル量は「普通交換時1.5㍑・フィルター交換時で1.7㍑」です。いちおうフィルターは抜いている(交換はしていない)ので、とりあえず1.5㍑ブチ込んでから微調整しようと思い、1缶全部とジョッキ計量500ccを入れました。
オイル注入口は非常に入れにくい位置なのでジョウゴ+ホースを使います。
んで1.5㍑時点でレベルゲージを見ると…
既にアッパーレベル超えてるやんけ。
まあこれくらい誤差です。レベルゲージがかなり斜めに挿さっているうえ、地面が水平じゃないですからね。ちなみに交換前はもっともっと入ってました。
前々から思っていたんですけどレッドバロンのオイル交換は多めに入れる傾向がありますね。YZF-R3なんか毎回200ccくらい抜いてますよ。
廃オイルは適当なサイズの段ボール箱にゴミ袋を嵌めて受けたのち、作業に使った軍手やペーパータオルやティッシュや廃段ボールを最後にまとめて突っ込んで吸わせてます。、
これで燃えるゴミに出します。
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1,599kmでオイル交換なんてゼイタクな事をしちまったい。
(おわり)