前回の車検時に交換したフロントブレーキパッド、かなり減ってきたので交換しました。

ブレーキパッドのタッチは新品に完全なアタリ付いた時点が最もよろしく、以降は摩耗するに従って徐々に悪くなっていくものなので、ギリギリまで使うのはあまり得ではないです。

(前回2022/09/10 ODO:110,568㎞)

 

 

 

 

最初にリザーバータンクのふたを開放します。

液だれ抑止のため幅広のマスキングテープを一周巻きます。フルードが噴水のように飛び散らないよう、ゴミが入らないよう、ダイヤフラムだけ置いておきます。

 

 

取り外したブレーキパッド。

もう少しくらい使えなくもないのですが、これぐらい減ってくるとタッチの問題もさることながら装着状態での目視点検で残量が分かりにくくなるのが困る…。

画像で上(進行方向で前側)よりも画像下(後側)の方の摩耗がやや多く、全体的に斜めに摩耗しています。異径ピストンキャリパーはブレーキレバーを握ると小さいほうのピストン(後側)が先に突き出てくるワケなので、これこそが正常な摩耗形状だと、そう私は思っているのですが他の人はどうなんでしょうかね。

 

 

キャリパーピストンの手入れをします。

キャリパーサポートを介している場合フォーク側かキャリパー側のどちらかのボルトを緩めるのですが、私のはサポートでフォーク側ボスを「挟み込んでいる」取付方法なのでキャリパー側を緩めます。

 

 

外したキャリパー。ブレーキレバーをにぎにぎしてピストンを突き出します。

誤ってピストンが出すぎて脱落しないよう、センターのディスクスリットに合う適当なスペーサー(画像はラチェットの柄)を噛ませて突き出します。

 

 

シリコングリスを使ってピストンの汚れを拭き取ります。

見えない部分はウエスを隙間に潜り込ませて拭き上げてます。ピストンプライヤーがあれば簡単なのですが私はいまだに持っていません…

 

 

ピストンを拭き上げ完全に引っ込め、もう一度突き出して同じ作業を繰り返します。

ピストンを引っ込めるのは工具使わず手でイケますけど少しでも斜めになってしまえばビックリするくらい動きません。両手の指でキャリパーを鷲掴みし、垂直に正確に押し込むとうまくいきます。

 

 

新しいパッドを組みます。前回と同じものでYZF-R1の純正パッド。摩擦係数刻印HH。

YAMAHA車のMOSキャリパー用シンタードパッドは見た目全て同じに見えますが、摩擦係数の違いで少なくとも2種類あります(HHとGG)。

 

 

使用前使用後。

バックプレートは厚み4mm以上あります。ちなみに普通のレジンパッドのバックプレートは3mmくらいです。

 

 

キャリパーとパッドを元通りに組んでからブレーキフルードの入れ替えをします。私の場合パッド交換以外ではタイヤ交換のときにも入れ替えすることが多いです。

今回ももちろん入れ替えます。

 

 

交換はリザーバータンクに新フルードを継ぎ足しながらブレーキレバーをにぎにぎしてキャリパーのブリーダーより旧フルードを押し出す、というオーソドックスな手順で入れ替えますがシリンジも併用します。

シリンジを軽く引きながらキャリパー側の負圧をキープしつつブレーキレバーを操作すれば、逆流はしませんし効率も良いです。

 

 

最初の50ccを抜きました。

毎回このように黒ずんだ色で茶色系ではありません。わりとこまめに交換しているつもりなのでこれは吸湿じゃなく、熱が入りすぎて変色してるのではないかと思ってます。

 

 

続けて50cc。

新品のフルードの色がホースに出てきたのでほぼ入れ替え完了です。

 

 

マスターシリンダーのふたのネジ穴には雨水やブレーキフルードが溜まっていることがあります。

これは固着の原因になるのでコヨリで吸い取っておきます。

 

 

防水と防錆を兼ねてマスターシリンダーのふたのネジにはシリコングリスをたっぷり付けてねじ込みます。

このネジをステンレス製に交換している人は多いですが、もしステンレスネジが電蝕で固着してしまうとそうとう厄介なことになります。そもそもココに限らず単車にステンレスネジは相性が悪いので私はほとんど使っていません。

 

 

最後にブレーキレバーを取外し、清掃してグリスを塗り直しておきます。ほんとは適したグリスが他にあるはずですが、私の場合足回りなどの大荷重が掛かるところ以外は全てシリコングリスで済ませています。

このマスターシリンダーはYZF-R3純正(11φ)ではなく、マジェスティ4D9後期の純正(1/2")を流用しています。シングルディスクに使える横型マスターシリンダーの中では最高級品と言っても良く、精度も高いですよ。

 

※余談※

YZF-R25/3のシングルディスクにキャスティングブレンボ対向4Potキャリパーが使えるサポートは普通に売っていますが、純正マスターシリンダーの11φのままだと容量が足りな過ぎてスカスカになります。ブレンボキャリパーはピストン径がでか過ぎて1/2"マスターでさえブレーキレバーがグリップに付くまで握りこめるレベルなので、横型14φ相当でないとキビシイです。

 

 

 

 

およそ1万5千kmでの交換になりました。毎回1万kmちょっとで交換していたから今回は長持ちしました。途中でウェーブディスクから丸いディスクに変えたからだと思われます。

ウェーブディスクはパッドがゴリゴリに減りますからね。

(2024/01/02 ODO:126,354km)