他府県の人に愛媛松山と問えば?
「道後温泉」ですよね。
しかし松山には他にも温泉はありますのよ。
健康ランドみたいなのを除き、明らかに観光地然としたものに絞ると、「奥道後温泉」が該当すると思います。
そして通常、奥道後温泉とは=「壱湯の守」というホテルを指す事がほとんどです。
※他にもホテルはあります。
「壱湯の守」の立地は市街地とさほど離れていない石手川ダムの、やや下流の川沿いにあるのですが、発電所や浄水場よりは上流に位置するゆえ渓谷の雰囲気がまだ強く残っています。
市街地にある道後温泉はそれはそれで情緒がありますけど、奥道後のほうが典型的な温泉地ですね。宿泊したことはないですが。
この「壱湯の守」には前身があり、かつては「ホテル奥道後」と呼ばれていました。他の多くのリゾートホテルと同様にホテル奥道後も長い不況のあおりを受け経営が悪化、ついにはスポンサーが変わって名前も変わって現在に至ります。
ホテル奥道後全盛期には本館・複数の別館・および多くの付帯施設を持つ巨大ホテルでありましたが徐々に営業エリアが縮小し、壱湯の守となった現在では本館の一部と温泉以外の営業施設がほとんど休止となってしまいました。
この休止した施設の中には色々と変わったものがあるんですが、現存している中では最寄りの杉立山にあるレストランに繋がっていたロープウェイ(!)がその最たるものでしょう。
私は地元民ながら20年くらい前にそのロープウェイを利用した事あります。1回きりだけど。
奥道後ホテルは松山市と今治市を結ぶR317沿いに建っているのでロープウェイの存在自体は良く見えますが意識したことはあまりなかったです。でもいざ実際乗ってみるとなかなかのものでした。
「こんな近所にこんな非日常空間があったのか」と、やたら感心した記憶がありますね。
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…とゆーよーなコトを、雨が降ってる退屈な日曜日の午後3時も回った頃に、唐突に、思い出してしまったのですわ。
そういや~あのレストランの場所、単車では行った事なかったし。日が暮れる前にちょっと行ってみるかね!と、小雨の中おもむろにマジェスティに乗ってトコトコ出かけたのです。
杉立山の山頂レストラン(現在は廃墟同然)に行くにはロープウェイだけでなく接続道路も存在します。
(水色のルート)
東西どちらからもアクセス出来ますが、今回は西の食場町から上がります。ただし山頂レストランが休業になってから以降の十数年間は誰も通る必要がなかった道でもありますから、もしかしたらとうの昔に崩れて通行不可になっているかもしれません。
けど県道ではないから道路情報が出ないし、googleストリートビューすら無い山道なのでwebで現況を知るのはホトンド不可能です。つまり行ってみないと分かりません。
※ちなみに東側の道は途中に民家や神社とかあるらしいし、最終処分場への連絡道を兼ねているので現在も利用されているハズです。
県道から分岐されている道を進むとほどなくしてコンクリート舗装になります。寂れた山道でのこの状況は「この先アスファルト舗装用の建機が入っていない・入れない」という事を意味します。
あんのじょう、ギリクルマ1台分の道幅にかなりの急勾配となりました。もちろんガードレールなんかありません。
…不安になってきた。
(*´д`)
この道、勾配の緩いとこや拡幅されてる区間がホトンド無いっすね。いや、それでもこれよりキツイ道はいくらでも経験あるのだが…なぜか不安が止まらない。
少し広くて平らな場所に出たので一旦止まるの。
右の奥から上ってきて、ここヘアピン。
これから左上に見えるポールに向かって進むワケですが。
日没前の小雨の中、まんがいちの事があったらマジでシャレにならぬ。なんか萎えた。もう降りちゃろ。
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てなワケで。
私としては非常に稀なケース、「通行止めじゃないのに道を引き返す」コトにしたのでした。
いや~今思い返してもなんでそこまで不安になったんでしょう。自分でもよく分かりません。
まあ、あのまま進んでいたらきっとガケから落ちてたんだろうな。と考えるようにしています。