去年8月に交換したマジェスティのタイヤが約7,500km経過し、とうとうリヤがスリップサインに達したので…ここらでおもむろにインプレ兼ねて思いっきりクドく、マジェスティのタイヤについて語ってみます~
(*´∀`)ノ
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PIRELLI ANGEL SCOOTER
F:110/90-13 R:140/70-12 (Bias)
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その前に。
インプレするには比較対象が要りますな。
ANGEL以前に私のマジェスティ4D9に履かせたことのあるタイヤは3銘柄。それぞれ2セット以上履きつぶした経歴があるのでそこそこ語れます。簡単に紹介しておきませう。
◆IRC:SS540◆
マジェスティ4D9の純正指定タイヤ。日本製。
その4D9は既に生産終了。SS540自体もメーカーラインナップに残っていません。
(後継銘柄→MOBICITY SCT-001)
◆PIRELLI:DIABLO SCOOTER◆
同社のスポーツタイヤをイメージさせるトレッドパターンを持つタイヤ。ブラジル製。
DIABLOと言ってもハイグリップタイヤではありません。登場はかなり古く、現在でもラインナップに一部サイズが残ってはいるものの基本的に終息している銘柄です。
(後継銘柄→ROSSO SCOOTER ※4D9に履けるサイズ無し)
◆DURO:DM1017◆
いわゆるアジアンタイヤの中ではメジャーな部類。台湾製。
この銘柄は後輪のみ。DUROは国内での正規代理店が存在しないのか詳しい情報がみつかりません。なので銘柄ごとの特性も分かりません、てゆーか銘柄が違ってもサイズとトレッドパターン以外に作り分けがされているかどうかすら不明。ただしメーカーとしてのDUROはHONDAの原付TODAYで純正装着の実績があるくらいなので流通経路は確立している様子。通販で入手するのは容易です。
(現行銘柄)
◆PIRELLI:ANGEL SCOOTER◆
同社のツアラータイヤをイメージさせるトレッドパターンを持つタイヤ。インドネシア製。
2017年登場。今回挙げた中で名実ともに最新タイヤとなります。
(現行銘柄)
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ここで少し、スクーターの事なんか興味ないよって人のためにマジェスティのタイヤ事情についても説明しておきます。
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私のマジェスティ4D9をはじめとする1990年代後半~2000年代前半の250ccスクーターには、事実上スポーツ走行という概念が存在しません。これはすなわち、サーキット走りたい人・峠を攻めたい人・高速でぶっ飛ばしたい人・そういう人達がそういう目的で選ぶ事は絶対にない単車と言えます。
ですからタイヤメーカーだってその時代の250ccスクーター用タイヤでスポーツ寄りの製品なんか出していません。出しません。
需要が無いんだもの。
つまり開発のリソースも限定したはずで、ハナっからスポーツ要素なんかはほっとんど考慮していないと思われます。
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そんなワケ(推定)なので、結局どこのメーカーを選んでも大して変わりないのが現実です。
それでも私個としてあえて差を見出すとするなら、以下の項目が挙がりますかね。
①入手価格
②ライフ
③ウェット路面でのフィーリング
④前輪:偏摩耗の傾向および消耗時のフィーリング
⑤後輪:偏摩耗の傾向および消耗時のフィーリング
※評価外:経年劣化による硬化の進行度合い→最低年1回以上はタイヤ交換する距離を走っているので、こればっかりは検証できませぬのコトよ
①~③はどんなタイヤでも気になるところでしょうが、④⑤はあまり語られる事はありません。例えばスポーツタイヤならいわゆる“おいしいところ”を使い切ったらその時点で評価の対象外になりますが、250ccスクーター用タイヤの場合は最後の最後まで使い切るのが普通なのだからこれは非常に重要で無視はできません。
この5項目で上記の4銘柄に(ムリヤリ)優劣を付けてみました。
①入手価格
高←DIABLO≒ANGEL>SS540>>>DM1017→低
実際は入手時期に数年の開きがあり、その間常にタイヤ価格は変動しました。が、それを考慮してもブッチギリでDM1017が安いです。
②ライフ
長←SS540>ANGEL≒DM1017≒DIABLO→短
ライフは運用形態によってかなり差が出るものですし、私の場合はスリップサインを超えてセンターの溝が完全に消えるまで使うので理論的に優劣は付けられません。単純に今までの実績から判断しています。
③ウェット路面でのフィーリング
優←ANGEL>DIABLO>>>DM1017>SS540→劣
あくまでもフィーリングであって、グリップではありません。そもそもウェットでグリップすると言うにふさわしいタイヤなんかこのクラスに存在しませんよ。もうちょっと言うと「雨天走行で充分に慎重に運転していてなお、おっかない思いをしたり感じたりする場面」での感覚的な評価です。
④前輪:偏摩耗の傾向および消耗時のフィーリング
ANGEL≒DIABLO≒SS540
ほとんど差は見られないです。前輪は摩耗するに従い徐々に三角形のように尖っていき、直進安定性が悪くなり、コーナリングもどんどんアンダーステア傾向に振れていきます。前輪荷重の少ないスクーターですからある意味後輪より大事かと。私が前輪にはアジアンタイヤを履かせない理由はこれです。
⑤後輪:偏摩耗の傾向および消耗時のフィーリング
優←ANGEL>DM1017≒DIABLO>>>SS540→劣
これはハッキリとSS540が良くない。とにかく極端にセンターが平らになる減り方をするので、ライフ末期の挙動にはそうとう神経質になってた記憶があります。DM1017がかなり良かったのは正直言って意外でした。
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以上から私の結論を言いますと、やはり最新設計のANGELがトータルバランスが最も優れていると感じた次第です。ほぼ全体的に不満がないうえ、何よりトレッドパターンがカッコイイ!(主観)
次点がDM1017。こうして並べてみたら性能的にやや劣ってしまいますが、だからと言ってそれを意識しておそるおそる運用しないといけないなんて事は全くありません。差はホントにわずかです。価格(他のタイヤの3~4割引相当)を考えれば実質最強と言っていいかも。
まあリヤタイヤだけだけどね
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とまあ、もう入手できないタイヤまで入れて比較して一体ぜんたい誰の参考になるんだみたいな内容になりましたが、
本当に言いたいのは「消耗品は消耗させてみないと評価なんかできっこないだろ」って事なんです。
ようは、サーキット限定で使うタイヤでもない限り「履いた直後の感想」なんてものは結局誰にも何の参考にもならないのですよ。バイク雑誌系のインプレなんかはまさにソレだと思いますねえ。