幕末期・絽地御所解文様のご案内 | 呂藝のブログ

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こんにちは、呂芸ブログ中の人です。

今日は幕末期・絽地御所解文様のご紹介です。

 

御所解文様は江戸時代後期、大奥を中心とした武家女性が着用した文様で、文様の選定に源氏物語などの平安文学や芸能に関する教養が求められたためある意味、武家女性の品位の高さを示すための文様とも言えましょう。

絽地ですのでもともとは夏に着用された単衣ですが、着ていた方がお亡くなりになられ故人を偲ぶため着物を解き寺院へ奉納したものだと推察されます。

 

 

 

 

 

 

御所解文様は華麗な友禅と優美な刺繍が併用され全体として調和のとれた雅な文様を描き出します。

今回の御所解文様で個人的に興味深いのが蝶文様です。

 

染と繍と異なる二つの手法で描かれております。蝶は「胡蝶の夢」とも言われるように夢と現実の狭間をひらひらと幽玄に舞う昆虫とされており平安時代の有職文様としても用いられていた一方で「復活と再生」「不死不滅」の象徴として捉えられておりそこから更に転じて「死霊の化身」という見方さえありました。二つの手法で描いたことに何か意味があったのかもしれません。

 

平安文学に蝶を扱った文学があったのかわかりませんが、源氏物語の『胡蝶』で紫の上が「花ぞののこてふをさへや下草に秋まつむしはうとく見るらむ」と胡蝶を詠んでおりますがあまり関係なさそうです(苦笑)

御所解文様は見る側にも平安文学の造詣が求められ、こちらの知識不足を露呈するので困った文様です(確信)

しかしこれは当時の武家の女性も同じだったようで、段々と教養を見せる文様ではなく単純に四季の草花で埋め尽くした風景を描いた意匠へと変容していきます。

 

 

裏には仕立て糸が金糸が用いられており、大変品格の高い御所解文様です。

現在店頭にて展示中です。

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