こんにちは、呂芸ブログ中の人です。
今回は五月人形の本飾りと組み合わせて飾ると迫力満点、明治期の内幟(うちのぼり)のご紹介です。
竜胆の家紋に三国志の英雄関羽と鐘馗が手描きで力強く描かれております。
五月幟(ごがつのぼり)とは五月五日の端午の節句に男子の成長を祝い立てるのぼり旗のことをいいます。
江戸時代初期から武家を中心に行われるようになり、最初は武者絵などが描かれておりましたが後々鯉の滝登り絵が流行し、そこから鯉のぼりになったとされています。
武者絵はやはり武家を中心に流行った文化だったからでしょうね、今作品は武将でも三国志の関羽ですが武者人形のモチーフとしても当時より人気がありました。日本の武将ですとやはり八幡太郎義家や源為朝、加藤清正などが人気があったようです。
また鐘馗は中国民間伝承が元となる道教系の神ですが、日本では疱瘡除けや学業成就に効があるとされ、これもまた端午の節句に絵や人形などで奉納されるモチーフでした。民間では江戸時代末期ごろ関東で五月人形にする風習がみられるようになったとされておりますので、今回の内幟もまさしくその時代背景に即したものと言えるでしょう。
この内幟には「廣正」と落款があります。この時代の友禅は下書きを日本画家が請け負っていたこともあり絵にも力があります。
細かいシボの縮緬地に威風堂々と描かれ男子の祝いの絵にふさわしい力強さですね。おそらく特注による一点ものの内幟でしょう。
のぼり旗はリメイク素材や古布細工物の素材として非常に需要がありますね。特に今回の内幟は手描きですし細工物やリメイク作品にワンポイントとして変化をつけるには最適かと思われます。布地も使いやすいちりめん地です。
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