勤めていた会社が吸収合併されて給料が下がったが、これは労働条件の不利益変更ではないか、というご相談をいただきました。
合併と一口に言ってもいろいろなケースがあり、もっと具体的な情報がなければ一概に不利益変更とは言えません。
例えば、会社法でいう「合併」ならば、旧会社の権利義務は現会社に包括承継されますから、労使契約関係も当然承継されます。よって、一方的に給料を下げられたら不利益変更を主張できることになります。
しかし、事業譲渡といって旧会社の財産の全部または一部を譲渡する場合は、労働契約関係を当然には承継されません。つまり、現会社に対して不利益変更の主張は当然にはできないことになります。
どういう形態で2つの会社が1つになったのかは経営者の合意によりますから、労働者としては、不利益変更の主張の前にまずは経営者に対して詳しい説明を求めるべきだと思います。