しきのかけ とほのまいくた
  たそかれか そたたくいまの ほとけかのきし

(色の影 遠の間幾多 黄昏が そだたく今の 仏彼の岸)

解説

色(しき)は「五蘊(ごうん)の一つ。物質的存在の総称で、変化し、一定の空間を占有するものを意味する。眼(げん)、耳(に)、鼻、舌、身の五根と色(しき)、声、香、味、触(そく)の五境、および意識の対象となる法処中の色法との十一色を含む。色蘊。」、影は「日・月・星・灯火などの光。」「光が反射して水や鏡などの表面に映った、物の形や色。」「目に見える物の姿や形。」「物が光を遮って、光源と反対側にできる、そのものの黒い像。影法師。投影。」「心に思い浮かべる、人の顔や姿。おもかげ。」「ある現象や状態の存在を印象づける感じ。不吉な兆候。」「心に思い描く実体のないもの。幻影。まぼろし。」「つきまとって離れないもの。」「やせ細った姿のこと。」「死者の霊魂。」、遠の(とおの/とほの)は「隔たりの程度がはなはだしい。遠くの。遠方の。」、幾多は「数量の多いこと。あまた。数多く。」、黄昏は「夕方の薄暗い時。夕暮れ。暮れ方。たそがれどき。また、比喩的に用いて、盛りの時期がすぎて衰えの見えだしたころをもいう。」、そだたくは「語義未詳。‘そ’は十分にの意、‘たたく’は‘手たく’で手を働かせる、すなわち抱く意で、しっかり抱きしめる意か。一説に、愛撫すること、また軽くたたくの意。」、仏は「仏語。仏陀のこと。釈迦仏・阿彌陀仏・薬師仏などすべてにいう。」「死者の霊。また、死んだ人。死人。」、彼の岸(かのきし)は「‘彼岸 (ひがん) ’を訓読みにした語。涅槃 (ねはん) 。」の意味です。

余談

この歌は、地獄少女のEDテーマ「かりぬい」を聴きながら、それをモチーフに書いた歌です。

 

雑感

影には「死者の霊」という意味があり、仏にも「死者の霊」という意味がある。

ということで、歌のイメージとしては、色(しき)の世界、即ちこの物質的な世界の影にある死者の霊達が、黄昏の光にまるで抱かれるように照らされることで、即成仏して彼岸へと渡ってゆく、というような感じ。

もっと露骨なことを言えば、霧深い幽界的な暗い世界で、まるで影のような形をした、未だ浮かばれない霊魂達の上から、まるで黄昏時のような温かい黄金色の光が降り注ぐのだ。

その途端、光に照らされた数多の霊達が、安らいだ表情と心からの安堵の声を漏らしながら煙のように消えていく、即ち彼岸へと渡っていく、といったイメージ。