りさうなみ こえてえいちの
  ひかりけり かひのちいえて えこみなうさり

(理想並み 超えて叡智の 光りけり 可否の痴癒えて 依怙皆失さり)

解説

理想(りそう/りさう)は「人が心に描き求め続ける、それ以上望むところのない完全なもの。そうあってほしいと思う最高の状態。」「理性によって考えうる最も完全な状態。また、実現したいと願う最善の目標あるいは状態。」、並む(なむ)は「ならぶ。連なる。」、叡智は「すぐれた知恵。深く物事の道理に通じる才知。」「哲学で、物事の真実在の理性的、悟性的認識。また、それを獲得しうる力。ソフィア。」、可否(かひ)は「よいかよくないか。事のよしあし。」「賛成と不賛成。可決と否決。」、痴(ち)は「物事を考え判断する力がたりないこと。おろかなこと。また、その人。あほう。ばか。しれもの。痴愚。」、癒えるは「病気・傷などが治る。治癒する。」「悲しみ・苦しみ・悩みなどが消える。」、依怙(えこ)は「一方だけをひいきにすること。不公平。えこひいき。」「頼ること。また、頼りにするもの。」「自分だけの利益。私利。」、失さる(うさる)は「なくなる。消えうせる。」の意味です。

余談

この歌は、小説「アルジャーノンに花束を」の内容を思い出しながら、下記音楽動画を聴いて、それをモチーフに書いた歌です。

『LILIUM 【オルガン伴奏・混声合唱版】』(「SoheiMiyoshi」さん)


雑感

理想は「イデア」、叡智は「ソフィア」っぽい感じがする。

ちなみに「哲学」は英語で「フィロソフィー」といい、語源は古典ギリシア語の「フィロソフィア」に由来するのだそうだ。直訳すれば「智を愛する」という意味になるのだとか。

しかし、このどうにもならない感覚から逃れるにはもう、圧倒的な神の光によって、この自分の魂ごと溶かしてもらって、その神の光源に回帰するしかない、と、最近はそんな風に思っている。

ただ、どうやってそれを実現させるのかは、皆目見当がつかないけれども……。