いくねんをこえ わせるちゐ
そろふゆけなり よもきさす
やまへうめゑむ たつとしに
おほひのてかみ あらはれぬ

幾年を越え 和せる地維
揃ふ遊戯なり 四方兆す
山辺梅咲む 辰年に
大日の出神 現れぬ

余談

幾年(いくねん)は「どれほどの年数。何年。また、多くの年数。多年。」、和す(わす)は「天候などがおだやかになる。また、気持がやわらぐ。したしむ。」「うらみを解いて、よしみを結ぶ。和睦する。また、仲よくする。親しむ。」、地維(ちい/ちゐ)は「大地を支えていると考えられた綱。転じて、大地。」、揃う(そろう/そろふ)は「全体が一つにまとまる。調和する。」「必要なもの、あるべきものが集まる。欠けたところなく備わる。」、遊戯(ゆげ)は「楽しく思うこと。喜ぶこと。」、四方(よも)は「東西南北、また、前後左右の四つの方向。しほう。」「あちらこちら。また、いたる所。」、兆す(きざす)は「草木の芽がわずかに出る。芽生える。芽ぐむ。」「物事が起ころうとする気配がある。また、気持が生ずる。」、山辺(やまべ)は「山のあたり。やまのべ。やまび。」、咲む(えむ/ゑむ)は「つぼみがほころびる。花が咲く。」、大(おお/おほ)は「尊敬または讃美の意を表す。」の意味です。

雑感

三千世界一度に開く梅の花

ということで、ミロクの世の到来を言祝ぐ歌です。