なかれくも ついさうしては
  なみのまの みなはてしうさ いつもくれかな

(流れ雲 追想しては 波の間の 皆果てし憂さ 何処も暮れかな)

解説

追想(ついそう)は「過去を思い出してしのぶこと。追憶。追懐。」、憂さ(うさ)は「心が晴れ晴れしないこと。気がめいること。」、何処(いず)は「不定称の指示代名詞。場所を表す。どこ。 」、暮れは「日が沈みかけてあたりが暗くなる頃。夕方。夕べ。」の意味です。

余談

この歌は、「千と千尋の神隠し サウンドトラック」の中にある「6番目の駅」を聴きながら、それをモチーフに書いた歌です。

雑感

憂さは有作(うさ)とかかっている気がする。有作は「因縁によって生じたもの。有為。」の意味です。

ちなみにこの歌は、自分の中にある原風景を、可能な限りイメージして書いたものです。

イメージとしては、流れ雲を見ながら、いろいろと昔のことを思い出しては、感慨に耽っているのだけれども、繰り返す波の音を聞いているうちに、それら記憶が思い出す先から抜け落ちていって、最後は晴れ晴れとしない心も朽ち果てていって、永遠なる夕べの中に自分自身も溶け込んでいく、というような感じです。