いろはきえにし つゆのこと
おほそらあをく まひたちぬ
ねふりもさめて わかなうせ
れんけやへゑみ よするむゐ
色は消えにし 露の如
大空青く 真日立ちぬ
眠りも覚めて 我が名失せ
蓮華八重咲み 寄する無為
解説
消えにしの‘にし’は「…てしまった。」、如(ごと)は「…のようだ。」、真日(まひ)は「日の美称。」、眠る(ねぶる)は「ねむる。」、八重は「特に、花弁が何枚も重なっていること。」、咲む(ゑむ)は「つぼみがほころびる。花が咲く。」、寄すは「まかせる。ゆだねる。」、無為は「因果関係に支配される世界を超えて、絶対に生滅変化することのないもの。すなわち、涅槃・真如といった仏教の絶対的真理のこと。無為法。ぶい。」の意味です。
余談
この歌は、「NEON GENESIS EVANGELION [DECADE] Soundtrack」の中にある「天国の記憶」を聴きながら、それをモチーフに書いた歌です。
意訳
眼前の森羅万象は、まるで消えてしまった露のようだ。それでもなお、大空はただ青く、地平線から昇った太陽はただ輝いている。
その光景をただぼーっと眺めていると、私の中の眠っていた感覚も目覚め、これは私だ、これは私だ、と思っていた意識も失せ、もはや名前すら無いただの存在となった。
その瞬間、森羅万象という蓮華が幾重にも重なりながら花咲き、あらゆる存在という存在が因果応報の世界を超えて、ただ至全(自然)のままに回っているのみであることを知るのだ。