なかきよの ふうのそむかと
むのきせき のむとかむその うふのよきかな
(永き代の 風望む我と 無の奇跡 呑むと神苑 産の良きかな)
解説
風(ふう)は「風(かぜ)に同じ。」、望むは「遠くをながめやる。はるかに見渡す。」、産(うぶ)は「自然のままであること。また、できたときのままであること。」の意味です。
雑感
この目の前の世界は不思議に満ちている。初めから言葉にできない表現できない世界なのに、なぜか我々の頭は自分が理解できるようにあれこれとその世界を引きずり降ろしているのだ。
それはあたかも美の女神アフロディーテを、その至美なる座から引きずり下ろし、言いようにもてあそんでいるかのようだ。だが、いくらこき下ろしても、元なる至美至善の世界はただ至醜至悪の次元のバージョンの世界へとコピー増殖するだけで、元の至美至善の世界は少しも失われない。
世界はただ、世界をこきおろす者をその世界に閉じ込めていくだけだ。はっきり言って、これは恐ろしいほどの神仕組みだ。なにせ自分が気付かない限り、その世界からは永遠に脱出できないのだから。
アフロディーテを凌辱していると本人は思っていても、その実、アフロディーテに抱かれながら、そのまま甘い夢幻の世界を夢想しているに過ぎないのだ。アフロディーテは完全なる愛と美の神であるがゆえ、そのような至醜至悪の観察者すらも愛と美なる視点で見ているように思う。
至醜至悪の世界に居たとしても、そんな女神の秘めた思いをちょっとでも想像し感じられるなら、まだ救いの余地はあるのかもしれない。