しらゆきと なはれはあはき
まやとさと やまきはあはれ はなときゆらし
(白雪と 隠れば淡き 真屋と里 山際あはれ 花と消ゆらし)
解説
隠る(なばる)は「かくれる。」、真屋は「棟の前後二方へ軒をふきおろした家。切妻造り。」、山際は「山の麓。山裾。」「山の稜線。また、稜線のあたりの空。」、あはれは「ああ。あれ。」「‘をかし’とともに、平安時代における文学の基本的な美的理念。深いしみじみとした感動・情趣をいう。のち、しだいに日本文学の美の根幹として発展し、調和美・優雅美・静寂美・悲哀美などのさまざまな内容を持つようになった。」、らしは「推定を表す助動詞。…らしい。きっと…しているだろう。…にちがいない。」の意味です。
余談
この歌は「大神 五重之音調」の中にある「ウシワカ登場」を聴きながら、それをモチーフに書いた歌です。
雑感
この歌は見ての通り、深々と降る雪と共に隠れるようにして存在している里の家々と、真っ白な山の風景に静かに感動しているというもの。最後の「花と消ゆらし」は、雪の花という表現があるように、まるで満開の花が散って消えていくように(向こうの山際の雪も)降っているのだろう、という意味になるかと思う。