なかきよの すこすまいにち
うみかせか みうちにいます こすのよきかな
(永き代の 過ごす毎日 海風が 身内に在す 呉須の良きかな)
解説
海風というのは「海から吹いてくる風。海の風。うなかぜ。」という意味で、身内というのは「からだじゅう。全身。」という意味で、在す(います)というのは「‘ある’‘いる’の尊敬語。いらっしゃる。おありになる。」「‘行く’‘来る’の尊敬語。お出かけになる。おいでになる。」という意味で、呉須(ごす)というのは「磁器の染め付けに用いる藍色の顔料。主成分は酸化コバルトで,ほかに鉄・マンガンなどを含む。天然には,青緑色を帯びた黒色の粘土(呉須土)として産出する。」という意味です。
余談
この歌は、元ちとせさんの「いつか風になる日」を聴きながら、それをモチーフに書いた歌です。
雑感
南西諸島地域では厨子甕(ずしがめ)という蔵骨器(骨壷)があるのだそうで、中には陶製のものもあるのだそうだ。要するにこの歌は、永き代という生前と死後の世界が同じである彼の世(あのよ)の中で抱かれている此の世(このよ)という世界にいる自分が、海から吹いてくる風を受ける度、すでにその風となっているご先祖様(=神様)が自分の全身にもいらっしゃることを感じる、ということ。
そうしてそれはちょうどご先祖様が(例えばコバルト掛け)厨子甕の中で安らかに過ごしていらっしゃるように、自分もまた周りの青い青い海と空に囲まれて、その中で安らかに過ごすことが出来ている……といった感じのイメージの歌です。