おほゆるよせを やまとちに
いはゐのみつも わきたりて
むねへひめえぬ ゑんろあふ
うすさくらこそ かなしけれ

覚ゆる寄せを 大和路に
岩井の水も 湧き垂りて
胸へ秘め得ぬ 遠路逢ふ
薄桜こそ 愛しけれ

解説

覚ゆというのは「思い出す。」という意味で、寄せというのは「縁。縁故。ゆかり。」「子細。わけ。いわれ。」という意味で、大和路(やまとじ)というのは「大和国の道。また、大和国に通じる道。特に、京都五条から伏見・木津を経て奈良に通じる道。」という意味で、岩井というのは「岩間のわき水を水汲み場としたもの。」という意味で、垂るというのは「水滴がしたたり落ちる。たれる。」という意味で、胸というのは「胸。胸部。」「心。思い。気持ち。」という意味で、秘むというのは「隠して人に知られないようにする。内緒にする。」「外には表れないが,内にもっている。」という意味で、遠路(えんろ)というのは「遠いみちのり。」という意味で、逢うというのは「出会う。巡り合う。」「ある時期にめぐりあう。」という意味で、薄桜(うすざくら)というのは「花の色の薄い桜。また,その色。うすはなざくら。」という意味で、愛し(かなし)というのは「身にしみていとしい。切ないほどにかわいい。」「心にしみるような趣だ。深い感興を感ずる。」「見事だ。感心するほど立派だ。」という意味です。

余談

この歌は「大神 オリジナル・サウンドトラック」のDisk4の中にある「Reset~ありがとうバージョン~」を聴きながら、それをモチーフに書いた歌です。吉野山のイメージも重ね合わせています。

雑感

以下、意訳です。

(自他問わず)思い出す(様々な)縁を、この大和国の道に感じながら歩いていると、岩間から絶えず水が滴り落ちている(その様と同じ)ように、心の中に仕舞い切れない(透き通った清々しい)気持ちが(次から次へと)湧き垂りて(=和気足りて)来るよ。そしてこの遠い道のりの中でめぐり合う(今のこの時期の)薄桜こそが、何より心に沁みるなぁ。