はてかやま さはれはあかき
ゆふのまの ふゆきかあはれ はさまやかては
(果てが山 触れば赤き 夕の間の 冬木があはれ 狭間やがては)
解説
果てが山のがは「連体修飾格を表す。‘の’と同じ。現代語では文語的表現のみに用いる。多く、所有・所属・同格などの関係を表す。」、夕(ゆう)は「日が暮れて夜になろうとする時。ゆうぐれ。ゆうがた。」、触るは「接触する。」、冬木(ふゆき)は「冬の木。落葉樹・常緑樹ともにいう。」、あはれは「ああ。あれ。」「‘をかし’とともに、平安時代における文学の基本的な美的理念。深いしみじみとした感動・情趣をいう。のち、しだいに日本文学の美の根幹として発展し、調和美・優雅美・静寂美・悲哀美などのさまざまな内容を持つようになった。」、狭間(はざま)は「事と事の間。間の時間。」の意味です。
余談
この歌は「大神 五重之音調」の中にある「ウシワカ登場」を聴きながら、それをモチーフに書いた歌です。
雑感
「果てが山 触れば赤き 夕の間の 冬木があはれ」は、向こう側に見える山の稜線に赤々とした落陽が接触したときの光景に、「あぁ!!!」と感嘆している様が描かれている。
「狭間やがては」は、そうしている間にも陽は刻々と落ちてゆき、昼と夜の狭間の時間帯である夕方が見る見るうちに終わっていく。その焦燥感と名残惜しい気持ちを表している。