ゆるしわたらせ ほふねおき
もれてよろこひ えむかへぬ
あまつみやゐに けとをゑす
うめいちりんの はなそさく

許し渡らせ 帆船沖
漏れて喜び 江迎へぬ
天津宮居に 化度を会す
梅一輪の 花ぞ咲く

解説

帆船(ほぶね)は「帆掛け船。はんせん。」、江(え)は「海・湖などが陸地に入りこんだところ。入り江。湾。」、天津(あまつ)は「天の。天にある。天上界に所属する。」、宮居は「神が鎮座すること。また、その所。神社。」、化度(けど)は「〔‘教化済度’の略〕 衆生を教え導き悟りへ到達させること。」、会す(ゑす)は「理解する。」の意味です。

余談

この歌は「大神 五重之音調」の中にある「ウシワカ登場」を聴きながら、それをモチーフに書いた歌です。

雑感

三千世界一度に開く梅の花

ということで、ミロクの世の到来を言祝ぐ歌です。

見ての通り歌のイメージは、海の彼方からみろく船が次々とやって来る、というもの。

下記で紹介されている「鹿嶋みろく」の歌詞によると、船には社が乗っかっているという話なので、それに合わせてみました。歌詞にもあるように、それはそれは立派な御座船なのでしょうねぇ。

『鹿嶋みろく』(鹿嶋デジタル博物館)
https://city.kashima.ibaraki.jp/site/bunkazai/50055.html

帆船(ほふね)は百船(ほふね)に通じ、天(あま)は海(あま)に通じる気がする。天津宮居は天界(神界)の宮居という意味でもあるだろうが、海界に属する宮居という意味でもあるような気がする。

意訳

神様が天(海)の世界からみろく船をこの世に渡らせることをお許しになったので、遥か彼方の沖合から漏れてくるようにそれは現れた。その光景に人々はたいそう喜び、これは大変目出度いと入り江に迎え入れた。そしてその船の御社に鎮座している神様を見て、みろくの世の到来を確かに悟る。時同じくして、この時節を祝うかのように、梅の木には一輪の花が咲いている、といった感じ。