くさなはる あくのみたまの
  つまりけり まつのまたみの くあるはなさく

(草隠る 悪の身魂の 詰まりけり 松の真民の 苦ある花咲く)

解説

隠る(なばる)は「かくれる。」、真(ま)は「(名詞・形容詞・形容動詞などに付いて)まざりけのない、全くの、などの意を表す。」の意味です。

雑感

草隠るは「青人草」(人民)の中に隠れている、という意味かと思う。つまり一般大衆に紛れて隠れている悪の身魂が、いよいよ詰まって来るということ。この意味するところは、悪がどんなに隠れようとしても、善と悪とをさっぱり立て別けるという神の意志が感じられる。また悪では世が続かないことが、時節が至ってようやく形に表れて来たので、悪は早く改心して善に立ち返るが花、という意味も込められているように思う。

歌の後半部分は、今まで世の為人の為に尽くしてきた人々は、その苦が結ばれ、花の咲く時節と相成って来た、という意味かと思われる。

要するに、タテカエ末期に至ったこの今なので、ここ一番苦しい所だが、御神徳(おかげ)を落とさぬように、自分の悪いと思う所は素直に改心して、最期まで誠を貫いてくれ、ということかと思う。