祖父母・父母の土地に家を建てる

 

所有者が亡くなるまでは「使用貸借」と言って、土地代はタダで住むことができ、相続対策ではよく活用される方法です。

 

今回のご相談者は孫婿のAさん。

奥様の祖父の土地にマイホームを(夫婦共有名義で)建てることが決まっていて、将来的に自分達の土地にしたいとのことでした。

 

Aさんの奥様は3人娘の次女。

父親(Bさん)は3人兄弟で、通常は祖父の相続は父とその兄弟が相続人となります。

父親が相続した上で、その後にAさんの奥様が相続するのが通常ですが、お話を伺っていくと、Bさんは会社を経営していて、経営状況が思わしくなく、万が一倒産となった時に、個人の資産を没収されるようなことがあると困るとのことでした。

 

確かに、会社倒産した場合、その後、どこまで個人の財産が没収されるか?は確実にはわかりませんが、父親Bさんの名義にしておくものをなるべく少なくしておきたいという考えはよく理解できます。

 

そこで、祖父の所有財産を棚卸することに。

相続税の非課税枠内で必ず収まるのか否かはてなマーク

 

80代後半であり、田舎の土地ということもあり、評価額は低く、預貯金等の合計金額も非課税枠内であることが分かりました。

 

来年から改正される、「相続時精算課税制度」を活用し、土地の分について孫娘のAさんへ贈与する。 祖父が亡くなった時に精算するということであれば、そもそも相続税がかからないので、問題ない。

 

他にも、孫娘(三女)にも土地を既に使用貸借で与えていることが判明。

こちらは何も手続きをしていないので、父親Bさんのきょうだいともめる可能性もなきにしもあらず。

 

もう一つの方法として、「住宅取得資金贈与の特例」についても検討しましたが、どう考えても、R6.3.15迄に新居に住み始めることは難しく、こちらは活用できないため却下となりました。

 

エリアによっては、農転して家を建てたりするケースも少なくありません。

今は、20代から40代の世代でマイホームを建てるに非常に厳しい状況が続いています。東京のマンション価格などは平均9000万円とも言われています。

他のライフイベントを考えると、祖父母や親の土地を活用して家を建てるという選択肢は双方にとってもメリットがあり、相続対策にもなりえます。

 

ただし、孫が相続する場合、相続税がかかる場合2割加算となりますので、十分にご注意ください。

 

これからもこのような相談は増えていくと予想されますので、

 

『うちはどうかしら?』

 

と心配になった方、お気軽にご相談下さいね。

大切なお金を有効に活用していくことが大切です。

 

 

 

毎年この時期楽しみな小田原のチャペル越しに昇る朝日

空気も綺麗でシャキッとします

今日も最後までお読み頂きありがとうございました。

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