名曲百選第六章(18)”何もない春です” に込められた想い・・・ | 日々の生活(くらし)に音楽を♪

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俺の初恋はRock'n' Roll 俺の傍らには何時も音楽があった。

私の所も 晴れた日が続き 春らしくなってきました。

 

意外な所で遭遇したメジロ。

距離も近かったので 綺麗に撮れました。

 

 

綺麗な色ですし可愛らしい鳥ですね。

 

 

神社の森の高い木の天辺では 今年もアオサギが巣作りを始めました。

 

 

ツグミです。

この鳥も日本では冬鳥で、そろそろシベリアへ帰って行く頃です。

 

 

ジョビオくんです。

ジョビオくん、ジョビコちゃんとも、もうすぐお別れです。

 

 

地面の穴から あまり見ない動物が突然出て来て、

ビックリしました。

イタチだと思います。

 

 

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今回は 私が中学の時、音楽を聴き始めた最初のヒーローの曲を お届けいたします。

 

襟裳岬/吉田拓郎

 

吉田拓郎さんと岡本おさみさんのコンビの曲で、森進一さんに提供し、1974年にリリースされヒットしましたね。

その年の暮れにはレコード大賞を獲得しました。

レコード大賞授賞式の時、拓郎さんが壇上に姿を見せられた時は、まさか拓郎さんが出て来られるとは思ってもいなかったのでテレビを見てて驚きました。

森進一さんサイドから拓郎さんへの楽曲のオファーがあって、岡本おさみさんの 『焚き火』 という歌詞に拓郎さんがメロディーをつけたのがこの曲です。

当初は この曲は『焚き火』をいう タイトルでした。

 

この曲が出来た時、拓郎さんが先輩の小室等さんの所に、自分で歌ったデモテープを持って聴いてもらいに行ったそうです。
そしたらデモテープを聴いた小室さんに、「拓郎、お前、森進一が歌うという事を考えて作ったのか?」 と言われたそうです。


たしかに拓郎さんのオリジナルは、演歌とは程遠いようなポップで軽快なフォーク調の曲ですね。

 

この辺で ヒットした森進一さんのバージョンを

載せたいと思います。

 

襟裳岬/森進一

 

どんな曲を歌っても、独特の森進一節で ご自分の持ち歌にされてしまいますね。

好き嫌いは別にして、素晴らしいシンガーだと思います。


この曲の歌詞の、”襟裳の春は 何もない春です” というフレーズが当時、「襟裳には何もないとはどういうことだ」 と、抗議を受けたり物議を呼びましたが、そこのフレーズだけを見ないで全体を見れば、この歌の歌詞に込めた想いも感じれると思います。

襟裳の春は 何もない春です
寒い友だちが 訪ねてきたよ
遠慮はいらないから 暖まってゆきなよ

 

岡本おさみさんは、この歌詞を書かれる前に北海道を旅され襟裳岬を訪れたそうです。

春とはいえ、まだかなり寒い時期でした。

その時のことを このように話されていました。

 

「あまりの寒さに近くの民家を訪ねたところ、老夫婦が快く迎え入れてくれて ”何もないですが、お茶でもいかがですか” と温かいお茶を飲ませてくれたんです。冷えきった身体に流し込んだお茶は飛び切り美味かった。”何もないですが” という温かくて素朴な人情に触れ、これだと閃いたんです。」

 

襟裳の春は 何もない春です

 

というフレーズは、この時の体験から生まれたんですね。

 

寒い友だちが 訪ねてきたよ
遠慮はいらないから 暖まってゆきなよ

 

寒いというのは身体に感じる寒さだけではなく、

日々の暮らしの中で、疲れたり傷ついたりして寒くなった心を暖め癒してくれる人の心の暖かさや優しさがある、という事なのだと思います。

1974年という時代を考えれば、フォーク歌手の作った歌を演歌歌手が歌うというのは、とても斬新な事であり冒険でした。
しかし大ヒットし、当事の歌謡界に与えた影響も大きかったと思います。


当時、作曲家の 團 伊玖磨 さんが、『好きな歌・嫌いな歌』というエッセー集の中で 、この歌について書いておられました。

「一度聴けばすぐ口ずさめたような、昔の流行歌の音楽的な幼稚さを見事に飛び越して、この歌は小気味良く美しい・・・」 と、それまでの日本の流行歌に無かった新しさを褒めておられました。

全く同感です。

 


襟裳岬

作詞 岡本おさみ
作曲 吉田拓郎

北の街ではもう 悲しみを暖炉で
燃やしはじめてるらしい
理由のわからないことで 悩んでいるうち
老いぼれてしまうから 黙りとおした歳月を
ひろい集めて 暖めあおう
襟裳の春は 何もない春です

君は二杯目だよね コーヒーカップに
角砂糖を ひとつだったね
捨てて来てしまった わずらわしさだけを
くるくるかきまわして 通りすぎた夏の匂い
想い出して 懐かしいね
襟裳の春は 何もない春です

日々の暮らしはいやでも やってくるけど
静かに 笑ってしまおう
いじけることだけが 生きることだと
飼い馴らしすぎたので 身構えながら話すなんて
ああ おくびょう なんだよね
襟裳の春は 何もない春です
寒い友だちが 訪ねてきたよ
遠慮はいらないから 暖まってゆきなよ


今回は吉田拓郎さんの 『襟裳岬』 をお届けいたしました。

 

フォークシンガーと演歌歌手という当時としては異色の出会いが生んだ名曲です。


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