名曲百選第四章(44)自分に問いかける 「生き続ける事の意味」 | 日々の生活(くらし)に音楽を♪

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俺の初恋はRock'n' Roll 俺の傍らには何時も音楽があった。

 

若い頃は、見た目のカッコ良さに 惹かれたり 憧れたりもしました。

ですが 年齢と共に 私の中で カッコイイと思う基準も徐々に変わりました。

例えに出して失礼かもしれませんが、山下達郎さん。

彼のルックスをカッコイイと言う人は あまり聞いた事がありません。

しかし、彼がステージで テレキャスターを抱えて立っている姿は、カッコイイ。

真のカッコ良さというのは、そういうものではないかと思うようになりました。

 

達郎さんと言えば、夏やクリスマスのイメージが、やたら強いですが、この曲は 秋にも合うのではないかと思います。

名曲です。

 

蒼氓/山下達郎

 

1988年にリリースされたアルバム『僕の中の少年』に収録されていた曲で、達郎さんが 35歳の時の作品です。

タイトルの 「蒼氓」 は、そうぼうと読み、人民という意味です。

達郎さんご自身で書かれた歌詞が 素晴らしい。

 

遠く翳る空から
たそがれが舞い降りる
ちっぽけな街に生まれ
人混みの中を生きる
数知れぬ人々の
魂に届く様に

 

ちっぽけな街というのは、おそらく日本の事でしょう。

日本で生まれ 人混みの中で揉まれながら生きる それぞれの人の魂に  この歌に込めた思いが届きますように、という意味だと思います。

 

憧れや名誉はいらない
華やかな夢も欲しくない
生き続ける事の意味
それだけを待ち望んでいたい
To find out the truth of life!

たそがれが降りて来る
歌声が聴こえて来る………

La La La La …………

 

この終盤の歌詞に この歌に込めた達郎さんの思いが感じられます。

憧れも名誉も華やかな夢も欲しくない、求めるのは生き続ける事の意味。

そして 続く最後のフレーズ「歌声が聴こえて来る・

・・」

歌声と言うのは、共に歌うこの国に生きる名もなき多くの人達(蒼氓)の声の事でしょう。

つまり、自分は心は蒼氓と共にあるという事ですね。

普通に生きて死んでゆく名もなき多くの人達への共鳴であり、優しい眼差しを感じる歌です

 

その思いに同調するかのように 竹内まりやさん、桑田佳祐さん、原由子さんのコーラスが最後に響き渡ります。

達郎さん自身が、自分の音楽人生にとって 最も大事な一曲と言われてましたが、その気持ちがよくわかる名曲です。

 

 

蒼氓


遠く翳る空から
たそがれが舞い降りる
ちっぽけな街に生まれ
人混みの中を生きる
数知れぬ人々の
魂に届く様に

凍りついた夜には
ささやかな愛の歌を
吹きすさんだ風に怯え
くじけそうな心へと
泣かないで この道は
未来へと続いている


限りない命のすきまを
やさしさは流れて行くもの
生き続ける事の意味
誰よりも待ち望んでいたい

さみしさは琥珀となり
ひそやかに輝き出す


憧れや名誉はいらない
華やかな夢も欲しくない
生き続ける事の意味
それだけを待ち望んでいたい
To find out the truth of life!

たそがれが降りて来る
歌声が聴こえて来る………

La La La La …………

 

今回は、山下達郎さんの『蒼氓』を お届けいたしました。

「生き続ける事の意味」 を 聴く人それぞれに考えさせる歌ですね。

本当に素晴らしい歌だと思います。

 

 

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