名曲百選第三章(6)「帰りたくない」 「帰れない」 2月は恋のように儚く短い・・・ | 日々の生活(くらし)に音楽を♪

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俺の初恋はRock'n' Roll 俺の傍らには何時も音楽があった。


早いもので1月も過ぎ、2月ですね。
他の月は 30日か31日あるのに、2月だけ28日か29日と短い。
それはローマ帝国の初代皇帝のアウグストゥスが自分の名前を自分の生まれた月に残したいという、つまらない見栄と我侭からそうなったらしいです。
8月生まれのアウグストゥスは、自分の生まれた月が30日しかないのが気に入らず、2月から1日持ってきて8月を31日にしてしまったとか、その分2月は短くなってしまったようです。
いつの時代も しょうもない権力者というのはいるものですね。

皇帝の我侭から短くなってしまった2月に儚さを感じ愛情を込めて、2に関係する歌がないかとCDラックやレコード棚から探してみたら、2に関係する歌が意外にあって、その中から今回はこの2曲をお届けいたします。

セカンド・ラブ/来生たかお


この歌は、来生姉弟コンビの傑作のひとつですね。
中森明菜さんのバージョンも若い女性の恋心をダイレクトに感じさせて良かったですが、来生たかおさんのは、大人の甘さや包容力がプラスされ深みが増し、ムーディーな雰囲気でこちらも素晴らしいです。

この動画の流麗なピアノとストリングスをバックに歌う、来生さんの雰囲気のあるボーカルは、心地良く心に響きます。

恋も二度目なら 少しは上手に
愛のメッセージ 伝えたい
あなたのセーター 袖口つまんで
うつむくだけなんて
帰りたくない そばにいたいの
そのひとことが 言えない


抱きあげて つれてって 時間ごと
どこかへ運んでほしい
せつなさの スピードは 高まって
とまどうばかりの私


自分の心の中に初めて芽生えた恋心に気づき、どうしていいのかわからず遠くからこっそり相手を見つめため息をつく、ファースト・ラブ。

二度目の恋だから、今度は上手く想いを伝えようとしても、伝えたい言葉が言えず、袖口をつまんでうつむくだけ・・・。
二度目の恋なのに、とまどうばかりの、セカンド・ラブ。

いいですね、恋心の微妙な機微を巧みに表現しているのは、女性の作詞家ならではの繊細な感性から生まれたものだと思います。

セカンド・ラブ

作詞 来生えつこ
作曲 来生たかお

恋も二度目なら 少しは上手に
愛のメッセージ 伝えたい
あなたのセーター 袖口つまんで
うつむくだけなんて
帰りたくない そばにいたいの
そのひとことが 言えない


抱きあげて つれてって 時間ごと
どこかへ運んでほしい
せつなさの スピードは 高まって
とまどうばかりの私

恋も二度目なら 少しは器用に
甘いささやきに 応えたい
前髪を少し 直すふりをして
うつむくだけなんて
舗道に伸びた あなたの影を
動かぬように 止めたい


抱きあげて 時間ごと 体ごと
私をさらってほしい
せつなさが クロスする さよならに
追いかけられるのイヤよ

抱きあげて つれてって 時間ごと
どこかへ運んでほしい
せつなさは モノローグ 胸の中
とまどうばかりの私



来生たかおさんは昔、この方のバックでピアノを弾かれてました。

帰れない二人/井上陽水、忌野清志郎


陽水さんも名曲がたくさんありますが、一曲だけ選ぶとすれば私はこの曲です。
この動画の清志郎さんのとのデュエットは、泣けてきます。

1曲目の 『セカンド・ラブ』 では、ずっと一緒にいたいから 「帰りたくない」 と歌われてましたが、この曲は、「帰りたくない」 をさらに越え 「帰れない」 なんですよね。
「帰りたくない」 は、愛から生まれる個人的な感情ですが、「帰れない」 となると もうそれは個人の感情を越えた運命なんですよね、二人は結ばれる運命・・・。

ピアノの美しいイントロから始り、ドラマチックかつロマンチックに展開される名曲で、聴く者の感情を揺さぶります。

初期のビートルズのジョンとポールのコンビで作られた曲は、1+1=2ではく、それ以上の数になったと思いますが、陽水さんと清志郎さんのコンビで作られたこの曲も1+1が 2より遥かに大きくなった奇跡的な名曲だと思います。


帰れない二人

唄 井上陽水
作詞 井上陽水/忌野清志郎
作曲 井上陽水/忌野清志郎

思ったよりも 夜露は冷たく
二人の声もふるえていました

「僕は君を」と言いかけた時
街の灯が消えました
もう星は帰ろうとしている
帰れない二人を残して


街は静かに眠りを続けて
口ぐせの様な夢を見ている

結んだ手と手のぬくもりだけが
とてもたしかに見えたのに
もう夢は急がされている
帰れない二人を残して

もう星は帰ろうとしてる
帰れない二人を残して



今回は、来生たかおさんと井上陽水さんの曲をお届けいたしました。
歌は心で作り、心で聴くもの、どちらも歌心に溢れた名曲だと思います。