「うちの子、そろそろ塾に行かせた方がいいのかな?」とお考えの保護者もおられるかと思いますが、そんな悩める保護者の皆様にはあまり役に立ちそうもない記事を書きます。まあ、気楽にお読みください。
まずはこのデータをご覧ください。
開校以来うちの塾で高校入試を迎えた生徒を、中学2年生の夏より前に入塾した生徒と中学2年生の夏以降に入塾した生徒に分け、それぞれのグループの公立高校入試合格率を出してみました。
中学2年生の夏より前に入塾した生徒 合格率 44%
中学2年生の夏以降に入塾した生徒 合格率 100%
え?と二度見した方もおられるかもしれません。
そうなんです、逆ではないんです。
それに、実はこれ、マシになった方なんです。
初めてこのデータを取った時は0%と100%でした。つまり、中2の夏以前に入塾した生徒はひとりも合格していなかったのです。
この衝撃的な事実に愕然とした私はなんでこんなことになるのかと一生懸命考えました。
思い当たることはいくつかありました。
いちばん関係ありそうなのが、志望校の変更です。
今までうちの塾で公立高校に落ちた生徒は、そのすべてが途中で志望校を変更した生徒です。入塾時に口にした志望校をそのまま受験した生徒はひとりも落ちていません。それはそうです。こちらは志望校に合わせてメニューを組むので、そのメニューをきちんとこなしてくれる限り落ちようがないのです。
しかし、早めに入塾した生徒の中には入試のはるか手前で入塾時の志望校のレベルを突破してしまう生徒がいます。
志望校を考え直す時間ができてしまうわけです。
また、初めは「○○高校に行ければいい」と安易に考えていても、勉強しているうちに向上心と欲が芽生えてくるということもあります。
かくして志望校の変更ということになり、偏差値にして4以上ハードルが上がります。
それだけではなく、成績が上がる前の評定(つまり1・2年の評定)はその学校を受験する他の受験生と比べて低いわけですから、その分だけでも10点以上のビハインドがあります。
それらをすべて学力検査で上乗せして取ることはそんなに簡単なことではありません。いくら成績が上がったからといっても、志望校の変更は慎重にした方がよいのです。
もうひとつ思い当たるのが、ペースチェンジの難しさです。
1,2年の間は数学・英語の2科目が中心で他の科目は補習や試験対策で補助的にやる程度ですから、やることもそんなに多くはありません。
ところが3年生になると、5科目の3年間分を1年間でやるので、一気にやることが増えます。
1,2年生ののんびりペースに慣れた生徒はなかなかこのペースアップがうまくいきません。
中2の夏より前に入塾した生徒がひとりも合格していないということに気づいてからは、このペースの変わり目、つまり3年生の初め頃に生徒がうまくペースチェンジできるよう、かなり配慮をするようになりました。それが、早めに入塾した生徒の合格率が回復したひとつの要因だと思います。
以上のことから、もし私が「塾に入れるベストなタイミングは?」と聞かれたら、「少なくともうちの塾に関する限り、3年進級時です。」と答えます。