今期の京都橘の集大成、西門町パレード。 | "楽音楽"の日々

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今回の台湾公演で私が一番期待していたのが、このパレードでした。

 

 

ドリル・ステージについては色々好みの問題もあるでしょうが、京都橘といえば、パレードです。間違いなく、世界一楽しいパレードですもんね。

 

12月12日、北一女でのパフォーマンスを終えた一行は、台北随一の繁華街・西門町へ向かいました。SNSでは、束の間の自由時間にショッピングを楽しむ彼らの姿も報じられていました。

 

パレードの後に広場でパフォーマンスをすることは、事前に告知されていました。なんとなく想像はしていたのですが、海外のファンブログにMartinCさんが具体的なルートを投稿されました。

 

とてもわかりやすいですね。MartinCさんは、度々貴重な情報を投稿してくれます。MartinCさん、ありがとうございます。これからも頼りにしてます。

 

 

 

 

パレードのスタート前から、西門町周辺を撮った動画がたくさんあります。私は現地のことを全く知らないので、それぞれの動画を楽しみました。若い頃に遊びに行ってた渋谷周辺の雰囲気があって、とても親しみやすい感じです。何と言っても、ロケーションの素晴らしさ。古いものと新しいものが凝縮されていて、とりあえず覗いてみたい気持ちになる街並みです。さらに、季節柄クリスマスイルミネーションも日本とはちょっと違うセンスで、これも台湾らしい雰囲気満載で、パレードへの期待感が高まります。

その中で偶然見つけたのが、OuPa Walkerさん撮影のこの部分。

 

 

顧問とトラックスーツの部長、京都橘ロゴTシャツのドラムメジャーがスタッフと共に紅樓広場に向かっているところのようです。撮影者も全く気付いていない様子です。

 

 

また、この動画の18:00あたりでは、パレードのスタート前にカラーガードのメンバーが公式カメラに向かって手を振る場面もあります。

 

 

 

 

京都橘の夜間パレードといえば、2005年と2011年にアメリカのディズニーランドで演奏した動画があるくらいで、非常にレアです。

商店の照明だけで明るさは足りるのか?などと色々想像していたのですが、先導するトラックの荷台に後方を照らす強力な投光器を付けて、しかも荷台にカメラマンが乗る方法を取ってきました。なるほど、万全の体制で準備されたんですね。まぁ、日本では夜間パレードさえほとんど不可能だと思われますが、もしやりたいと思う主催者がいれば参考にすべき形かもしれませんね。

 

 

 

さて、舞台は完璧に準備されていることで期待は高まるばかり。当日の生配信を楽しむべく、PCモニターの前でスタートを待つことにしました。スタートは、現地時間18:30、日本では19:30の予定でした。スタート位置まで歩いてくる部員たちの映像は途切れ途切れで、嫌な予感が・・・。

カウントダウンで、予定時間ぴったりにパレードはスタートしました。生配信の「命」である回線の通信速度の問題が改善されることなく、よくわからない映像が続きます。主催者でなければ撮影できないダイナミックな映像がたくさんあるにも関わらず、見続けることは大きな苦痛になりました。

遂に諦めた私は、他の生配信をしているチャンネルを探しました。そこで見つけたのが、またもやTaiwan Walkerさんのチャンネル。「生配信もやるんだ!」という驚きと期待で、そちらを見ることにしました。これが、大正解!

 

 

画面下には、現地時間と通信速度が表示されています。さらに左下にはライヴ・チャットが続々と表示されて、臨場感抜群です。混雑のためにカメラがパレードから徐々に遅れてくると、チャットで「がんばれーっ」と応援されているし・・・。

ユニフォームのオレンジ色の鮮やかさが足りないのが残念ですが、あとはお見事。結局最後まで飽きることなく見ることができました。今回の台湾でのイヴェント全体を通しての撮影のMVPは、間違いなくTaiwan Walkerさんでしょう。各イヴェントで、他とはちょっと違う視点の動画で随分楽しませていただきました。ありがとうございました。

 

 

全てのパフォーマンスが終わってから、膨大な数の動画がアップされました。全てを見るのはとても無理ですが、たくさんの動画を見ました。その中で、私がベストだと思うものを見つけ出しました。「うかのみたまのみこと」さん撮影の動画です。画質も音質も抜群で、丁寧に編集されていることがよくわかります。曲名のテロップは上品で美しいし、時々登場する「吹き出し」は的を得ていてポップで楽しいです。それも、映像や演奏の邪魔にならない程度に抑えているところに、センスの良さを感じます。今回は、この動画をじっくり見ながら、京都橘のパレードを楽しみたいと思います。

 

 

私が初めて彼らのパフォーマンスを生で見たのは、5月の「博多どんたくパレード」でした。その時は、全員が手探り状態でした。その時と比較すると、今回は全員が自信に溢れていて、音も声もよく出ています。喜びと自信から自然に出てくる笑顔も、いつも以上に素敵です。

 

 

演奏曲は今期のレギュラー・プログラムですが、進んでいくうちに「あの」不安が・・・。そう、グロッケンの不在です。

「When You Wish Upon A Star」のイントロは、グロッケンのソロなのですよね。

「Smoke On The Water」が派手に終わると、沿道から歓声と拍手が起こります。それに掻き消されてよく聞こえないのですが、なんとフルート・セクションがグロッケンと同じフレーズで先導する方法を選びました。これは、彼女が参加できないことが決まった時点で、顧問がフルートのために譜面を書いたのでしょう。妥当な選択だと思います。

ピッコロを含めたフルート・セクション全員で吹いているのですが、やはり届きません。歓声や拍手が予想以上に大きかったことも誤算だったのでしょう。メロディの入りが、2拍程ずれて始まりました。京都橘にとっては大事故です。それでも、マルチタムのフィルインをきっかけにして、3小節目から全員がピタッと揃います。拍手!パーカッション・セクションの絶対的な自信と、全員の修正能力の高さがフルに発揮された場面です。「なんとかする」京都橘の面目躍如ですね。ちなみに、この曲はもう一度登場しますが、そこでも同じようにずれて、同じように修正しています。

それにしても、キラキラしたアタック音が際立つグロッケンの重要性を改めて再認識する場面でした。

この曲のイントロだけでなく、パレードのプログラム中ずっとキラキラと彩っているグロッケンなので、急遽の代役はとても無理だというのは納得です。

 

この丁寧に作られた動画は、今期の京都橘パレードの集大成を余すところなく収録しているばかりでなく、歴代の京都橘のパレード動画の中でもトップクラスの出来だと思います。京都橘のパレードを初めて見る方にも、自信を持ってオススメできる1本です。

 

皆さん、ここで冷静に考えてみましょう。

今回のパレードは、複数の団体が参加するようなフェスティヴァルではありません。京都橘だけのパフォーマンスを見るために、これだけの人が集まりました。公式発表で3万人とありましたが、動画を見る限りもっと多い気がします。世界中探しても、これだけの集客力があるアマチュア・バンドは見当たらないでしょう。日本でも、こんな数の観客は見たことないですよね。台湾の「タチバナ・フィーヴァー」は、本物でした。

 

 

パレードが終わって、恒例の記念撮影。

 

これも、混乱を避けるために実に手早く行われました。

 

 

パレードの動画で、どうしても見ていただきたいものがChivasLiuさんの動画です。

パレードのスタート前と演奏後に部員が上を見上げて手を振っていたドローン・カメラが、これだと思われます。

 

 

ちなみに、音声は全く別のものを使っています。

日本では法的に許可されない撮影で、とても新鮮です。上空から見ると、京都橘の新たな魅力に気付かされます。高所恐怖症の私にとっては、ちょっと怖いですが。

全てが貴重な6分間です。多分もっと素材が残っているはずなので、ロング・ヴァージョンの公開を期待したいですね。

 

 

 

 

 

 

 

パレードが終わって、20分後に紅樓広場でのパフォーマンスが始まります。移動時間を考えると、彼らにとっては10分程の休憩だったようです。

主催者は、複数の投光器やクレーン・カメラを含む数台のカメラを準備して、万全の体制でした。けれども、生配信はやはり残念な出来でした。

あまりにも狭いステージなので、複数の動画で全体像が見えてきます。けれども、ここでのベストは我らが慶次郎前田さんの動画です。彼は、パレードも撮影していますが、日本よりも遥かに多い観客のせいで思った通りの動画が撮れずに、9分間のダイジェストしかアップできませんでした。けれども、こちらは流石の慶次郎クオリティ。アップにし過ぎない撮影で、京都橘の美しさを収録できています。

 

 

この日の昼間に北一女でも披露した曲ばかりですが、フォーメーションも狭いステージに見事に対応しています。自分がどうすべきかを全員が理解していることがわかります。

「My Way」のホルン・ソロは、納得できなかった北一女でのリヴェンジを果たして、実に見事でした。

パレードの疲れのせいか演奏には乱れがあるものの、台湾への感謝の気持ちが溢れる熱演です。彼らの素直な喜びが最後まで表現されていて、見ていてとても気持ち良いパフォーマンスでした。

 

 

 

 

 

台湾に行ってから、急激に人気が高まっている「カニちゃん」。

遂に、こんなものまで登場しました。Andy金さんが全体を撮影したものから、彼女にズームアップして作成した動画です。公開から1ヶ月足らずですが、視聴回数は既に27000回を超えています。彼女の人気ぶりがわかります。

 

 

この時のパフォーマンスで最も話題になった、ベースを弾き終えてから最前列までのダッシュの全貌がしっかり捉えられています。

 

動画で個人を追いかけることには、SNS上で賛否があります。私もあまり触れないようにしています。

けれども、顧問は色々なインタビューで「ひとりひとりにストーリーがある。それぞれを最初から最後まで見て欲しい。」と述べています。なので、こういった動画も許容範囲かと思います。過熱するのは問題ですが。

部員のひたむきさを良くわかっていてリスペクトしている兼城先生は、ひょっとしたら京都橘の最大のファンなのかもしれません。

 

 

おまけの動画を1本。beardadentさんのスマホ撮影です。ヴィデオカメラほどの精度はありませんが、ここでの見ものはカラーガードと観客とのやり取りです。

 

 

仮に京都橘を初めて見る人でも、目の前でこれをやられたら心持って行かれますよねー。

 

 

 

そして、中華文化総会のダイジェスト動画です。

 

 

こんな素敵なダイジェストを作ってくれるんですから、レストアした全長版を是非ともお願いしたいものです。李さん、よろしくお願いします!気長に待ちます。

 

 

ということで、12月12日、長い長い一日は大盛況のうちに幕を下ろしたのでした。