みんな大好き「Fireball」 | "楽音楽"の日々

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音楽、映画を中心にしたエンタテインメント全般についての思い入れと、日々の雑感を綴っていきます。

「京都橘高校と言えば、この曲。」というほどファンの間で人気が高いのが、「Fireball」です。

 

 

私が京都橘の動画に出会った2017年、この曲は聴いたことがあるけど原曲を思い出せませんでした。というのも、あまりにも曲の印象が違っていたので、結び付くのに時間がかかってしまったのでした。ということで、京都橘の「Fireball」をオリジナルから順に辿ってみたいと思います。

 

ラッパーPitbullが「Fireball」をリリースしたのは、2014年のことでした。

 

 

実は、私は欧米のラップを進んで聴くことはありません。なぜなら、歌詞を理解できないとほとんど楽しめないからです。スロー・バラードならなんとなく理解できますが、基本的に早口のラップは聞き取れません。ですから、日本のラップには楽しめるものがいくつもあります。

私が「Fireball」を知ったのは、リリース間も無くの頃だったと記憶しています。偶然にネットで知ったのですが、それはかなりヒットしていたからなのでしょう。ラップの基本である打ち込みによるキッチリしたリズムなのですが、生ギターのストロークやラテン・パーカッションが有機的なグルーヴを加えています。更にラップもヴォーカルもかなりゆる〜い感じです。この絶妙な緩さが、それまでの私のラップに対する先入観をひっくり返してくれて印象に残ったのでした。

京都橘の動画に対するコメントで「学生が演奏するには相応しくない内容だ。」という批判を目にしました。確かに、その通り。猥雑です。でも、ラップでは珍しくないですよね。気になる方は、歌詞を検索してみてください。すぐに出てきます。京都橘は、その問題になる部分を歌っているわけではないので、全く問題ないでしょう。このことは、2018年のシーズンにパレード曲として演奏していた「Gangnum Style」にも言えることですね。

 

さて、この曲のヒットの翌年には、吹奏楽アレンジの譜面が登場しています。編曲をしているのは、Tom Wallaceです。

 

 

この音源を聴く限り、京都橘はこの譜面を使っているのでしょう。

 

 

ということで、京都橘高校吹奏楽部が演奏した「Fireball」が動画上で最初に登場するのは、2016年4月9日に開催されたイヴェント「輝け!吹奏楽部」でのことです。アニメ「響け!ユーフォニアム」がヒットしたことでの、最初の関連イヴェントだったと思われます。Schneider883さん撮影の貴重な動画をご覧ください。

 

 

年度始めの時期なので、サウンド的にもまだまだです。その結果、原曲の緩さを引き継いでいるように感じられます。本人たちが望んでいる結果ではないと思いますが。振り付けもまだ熟れてない感じですが、左右へ出す足の揃い方の美しさは見事です。また、パーカッション・パートを担うことになったばかりの新2年生の爆発的なノリの良さが既に確立されていることに注目です。

 

この年は、パレードのプログラムで最後に演奏されるサンバ曲としても「Fireball」を採用しています。ひょっとしたら、2018年のローズ・パレードへのエントリーを見据えての選曲だったのかもしれません。時期的に、その可能性も捨てきれません。

パレードの曲としてのお披露目は、5月8日に万博公園で開催された恒例行事「ブラスエキスポ2016」でした。慶次郎前田さん撮影の動画をご覧ください。

 

 

サンバ曲恒例の「う〜、サンバッ!」からの「キャ〜」という奇声も入っていて、賑やかです。ローズ・パレードのヴァージョンにはありませんものね。

この後11月の「ガラシャ祭り」まで、パレードのハイライトとして人気の曲になるのでした。

 

 

さて、翌年2017年には「Fireball」は、完全封印されます。2018年のローズ・パレードに向けて色々試行錯誤するはずなのに、ローズのパレード・プログラムが公に演奏されることは一度もありませんでした。これは、国内のファンをも驚かせるための極秘作戦だったのかもしれませんね。なにしろ11月に地元大手筋商店街で行われた「ローズパレード出場記念パレード」でも、通常のパレード・プログラムでしたもんね。

 

 

京都橘の歴史を語る上で欠かせないのが、2018年の元旦に行われた「Rose Parade 2018」ですね。最早伝説になっている動画をご覧ください。

 

 

OB、OGを含めた総勢200人が揃って坂道を降りてくる様は、圧巻!のひと言ですね。観客席から巻き起こる歓声が、衝撃の大きさを感じさせてくれます。

 

 

2018年は、マーチング・ステージでの定番曲として「Fireball」が様々な形で披露されました。

ちなみに、高校野球の応援で話題になった滋賀県の近江高校が「Fireball」を取り入れたのもこの年でした。マスコミにも多く取り上げられて現在まで使われているようです。

 

2018年の「Fireball」のスタートは、6月の「第58回3000人の吹奏楽」でした。

広いフィールドを生かした、ここだけのフォーメーションが最大の見ものです。

 

 

全員が全力で、実に気持ち良いです。人文字の「FIRE」でフィニッシュして、そのまま次の曲「ROSE」の文字へ変化する流れは、それまで見たことのない素晴らしい構成でした。

今年がファイナルになるとアナウンスされている「3000人の吹奏楽」については、改めて書くつもりです。

 

 

毎年9月に開催されている京都橘高校の文化祭「橘祭」での演奏も見てみましょう。

 

 

3年生だけのパフォーマンスですが、この充実ぶり。この期の素晴らしさを感じることができます。ドラム・メジャーがクラリネットを吹いてる姿も貴重ですね。

 

 

そして、10月21日には東京ビッグサイトで開催中の「2018楽器フェア」でのパフォーマンスが撮影されました。

 

 

声も笑顔も満点ですね。個人的にローズ・パレード以降のベスト・パフォーマンスのひとつだと思っていますので、後に詳しく書くかもしれません。

 

 

この年の「Fireball」の完成形は、「楽器フェア」の一週間後に滋賀県草津市で開催された「クサツハロウィン2018」で見ることができます。

 

 

演奏そのものも完璧だし、パフォーマンスも見事にシンクロしています。狭いステージだからこそ余計に美しさが際立っています。また、客席の高さのおかげで後方のパーカッションや低音楽器の音もクリアに聴こえることでも、私のお気に入りなのです。

 

 

 

ということで、ファンも演奏者も大好きな「Fireball」でした。通して聴いてみると、楽しいだけでなくどんどんソリッドでカッコ良くなっていくのが良くわかりますね。

 

2018年のローズ・パレードに参加したメンバーが中心になって結成されたO-vils.でも、「Fireball」が定番の曲になっています。

 

 

これはまた高校生の頃には不可能だった「大人な」パフォーマンスになっていて、私は大好きです。

 

 

 

 

 

人気の高いこの曲は、現在でも復活を望む声が多くあります。2025年のローズ・パレードで復活するのか?はたまたこの強力なキラー・チューンを凌駕するようなハイライトになる曲が出現するのか?

楽しみに待ちたいものです。