熱血!ブラバン少女。 | "楽音楽"の日々

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音楽、映画を中心にしたエンタテインメント全般についての思い入れと、日々の雑感を綴っていきます。

開花宣言から随分経つのになかなか満開にならない桜に業を煮やして、こちらの桜の花見です。

桜金麦

毎年の定番ではありますが、美味し美し。








3月14日。

博多座正面

なんと、8年ぶりの博多座です。

8年前は、「ミス・サイゴン」でした。


今回は、博多華丸主演の「熱血!ブラバン少女。」です。

A席が12000円だったので、貧乏な私には手が出ません。ほとんど、諦めていました。

ブラバン価格

そこへ、新聞社の優待の折り込み。

7500円!

勢いで、購入申し込みをしてしまいました。

しかも、弁当付きっ!

花幸弁当

最初から、幕間の30分で食べるつもりはなくて、帰宅してから夕食としてじっくり頂きました。ボリュームに欠けるものの、充分おいしかったです。




届いたチケットは、前から10列目のほぼ真ん中。

うわぁ。特等席じゃないですか!

オペラグラスも必要なく、舞台の隅から隅まで見ることができます。

ブラバンチケット

さて、この舞台は、福岡の精華女子高校の吹奏楽部のエピソードと、2年前にリリースされたCDを基に作られています。

近年活躍が目覚ましいG2の作・演出による作品で、ストーリーはありきたりながら、スピード感あふれる演出で飽きる隙を与えてくれませんでした。実に見事でした。

2年前の、華丸の初舞台だった「めんたいぴりり」も、G2の作・演出でした。残念ながら、私は観るチャンスはありませんでしたが。



この舞台での驚きは、ヒロインの星野真里です。

カワイイ!!!

ひとりで、跳んで跳ねて!見事なコメディエンヌぶりでした。

気になって調べてみたら・・・、35歳!?えぇっ!!10歳は若く見える。一児の母とは思えません。先日の「べっぴんさん」では、落ち着いた母親を演じていましたが。


もう一人の驚きは、博多ローカルのコメディアン、斉藤優です。

彼は、素人いじりがウマくて、身長も私と同じくらいのチビ。なんと言っても名前の漢字が私と一字違いというので、勝手に親近感を持っていて陰ながら応援しているんです。

そんな彼は、最初の登場シーンから安定のコメディアンぶりを発揮して、絶好調です。

けれども、クライマックスで彼はキーパーソンになるのです。

まさか、彼の演技で泣かされるとは、予想だにしていませんでした。「やられたぁ!!」という感じです。


脇を固めるキャストも一流どころばかりです。

宇梶剛士と森田順平は、いつもの彼ららしい典型的な役ですが、実に気持ち良く演じているので、観ている方も安心です。

校長を演じる鳳蘭は、主役でないことで伸び伸びと楽しく演じています。凛としていながら、安心すると関西弁が飛び出すおばちゃんを、心から楽しんでいるようです。


気弱な教師を演じる金子昇(女性ファンが多いみたいですね。私は良く知らないんですけど。)も、笑いを取る演技が自然で、好感度高いです。




私がこの舞台に興味を持ったのは、福岡では有名な精華女子高校の吹奏楽部が出演するということが第一の理由でした。

この吹奏楽部は、福岡の様々なイヴェントに出演して福岡市民に親しまれています。さらに名物顧問のおかげで、全国のコンクールでも金賞の常連になってテレビ取材もたびたび受けています。元吹奏楽部員の私としては、気にならないワケがありません。

残念ながら、私は彼女たちの定期演奏会のような正規の舞台を見たことがなかったので、それを擬似的に体感できるかも、という期待も大きかったのです。


ローカルのテレビでは、プロモーションも兼ねて舞台のメイキングが放送されました。



博多座への道1

博多座への道2


舞台では、開巻から華丸指揮による吹奏楽部の演奏です。

三谷幸喜の映画でおなじみの、荻野清子が作曲してYUHKI氏が吹奏楽アレンジをしたテーマ曲「Never Been Before」は、ダイナミック且つ繊細な曲で、舞台への期待感を高めるのに十分な佳曲です。

私は吹奏楽のシンフォニックな曲についてはほとんど知らないので、今回の舞台で荻野氏のオリジナルがどのくらいの割合で使われているのかはわかりません。ただ、精華の演奏は、私の期待を遥かに越えるスキルとダイナミズムで、彼女たちの演奏だけでもチケット代以上の価値があったと思います。

部員の中で演技が必要な部分は、同年代の女優たちが演じています。けれども、彼女たちも演奏するんです。その楽器指導もYUHKI氏が担当しているんですが、よく短期間で習得できたものだと、感心するばかりです。


肝心の主役、博多華丸は、指揮することに不安を感じていたのか、今ひとつ精彩を欠いていたように思えます。軽いギャグの応酬は流石の楽しさでしたが、決めのセリフや決定的な演技のキモは、残念ながら流れてしまっているように感じました。

一番の難関であった指揮は、途中ヒヤヒヤする部分もありましたが、なんとか無難にこなせていてひと安心でした。

初日のカーテンコールの映像がありました。



初日特別カーテンコール


私が観劇した日は、この映像よりは、かなりこなれてました。



出演者全員が楽しく演じていて、その結束力が垣間見える温かいステージでした。



特筆すべきは、舞台転換の見事さです。

博多座は回転する回り舞台が特徴なのですが、それを生かした舞台セットが実に素晴らしかったのです。

「美術」という名前でクレジットされている伊藤雅子氏のアイデアなのでしょうか?

回転する舞台を見事に生かした自由自在な場面展開は、おもわず「おぉっ」と声が出てしまう素晴らしさでした。

演出のG2氏も、この舞台装置を見てからイマジネーションを膨らませて行ったんだと思います。



ということで、大満足の舞台でした。



これ、BSプレミアムあたりで放送されないのかなぁ。

残念ながら博多座限定の舞台なんですが、全国の舞台ファンに是非とも観ていただきたい作品だと言えます。




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