まるで「アート」のような、ガラスのヒビ。
自分の不注意から、貴重な休みを2日間ムダにしてしまいましたが、なんとか無事復旧しました。
博多駅近くのdocomoショップに行ったので、転んでもタダでは起きないということで、徒歩圏内にある福岡アジア美術館に足を伸ばしました。
目的は、これ。
私の青春時代を振り返る時に、避けて通れない篠山紀信の作品展です。
「激写」から「写楽」あたりまでは、彼の写真に多大なる影響を受けました。ちょうど一眼レフのカメラにのめりこんだ時期だったので、彼の大胆な構図や被写体に迫る姿勢などを真似して、かなり凝ったものでした。
展示されている作品はそれほど多くはありませんでしたが、有名人のポートレートから無名の人々まで、どれも個性的で圧倒的な迫力を持っていました。1時間以上をかけてじっくり鑑賞しましたが、まだまだ腰を据えて観たかったというのが正直なところです。
展示されている作品の半分以上は既に見たことがある思い入れの強いものでしたが、大きく引き延ばされた作品を静寂の中で鑑賞するのは、別次元の体験でした。
有名な歌手のポートレートも多いので、静寂の中でも頭の中には次々に音楽が流れます。
アルバム・ジャケットとして撮影されたこの作品は、その中でも代表的なものでしょう。
その他にも、こんな作品たちが・・・。
どれも、圧倒的な存在感でした。
松田聖子や指原莉乃など見慣れたアイドルも、その作品の前では立ち尽くすしかありません。
基本的に二次元の作品である写真ですが、被写体の表面よりもその内面が写し撮られているように思えるのです。それは、白塗りにしている玉三郎や勘三郎を始めとする歌舞伎役者のポートレートを見ると、一層痛感するのです。強烈です。
篠山紀信が撮ったアイドル歌手の代表と言えば、間違いなく山口百恵でしょう。「激写」の初回も、彼女だったそうです。
今回の写真展では、彼女の写真で最もセンセーショナルだった、沈みかけた小舟(?)の上に横たわる水着姿の写真が巨大なパネルとして展示されていました。
「時代と寝た女」と言われた彼女ですが、気持ちの上では「紀信と寝た女」という感じだったのかもしれません。あ、もちろん、彼の奥様である南沙織の写真もちょっと控えめに展示してありましたよ。
ということで、ちょっとでも彼の作品に興味がある人なら、是非足を運んでみて下さい。
圧倒される快感も、たまには良いもんですよー。
音楽が見える写真。
素敵です。
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