こんばんは
書くことが見当たらず最近惰性の80年代名盤レビューを続けてますが、紹介している80年,81年は面白いアルバムが結構あります。

ポスト・パンク、ニューウェーヴが出てきて新たな音楽模索する新しいアーティストが出てきたり、MTVの普及もまだまだの時期で、ロック・ポップスが商業的に成熟を迎える前ということがあるのかもしれません。

今日はそんな時代にポップスのスタンダード・ソングを作り出してきたポップ・デュオの名盤です。

★今日のテーマは↓です★

★{80年代未聴の名盤を聴くという試み}★

◆アルバムの感想(1980年代)★
・アーティスト名:Daryl Hall and John Oates (ダリル・ホール・アンド・ジョン・オーツ)
・アルバム名:Private Eyes (プライベート・アイズ)
・リリース日:1981年9月1日

 

 


今日はホール&オーツです。
先日、彼らの[Voices]を紹介しました。

 

 

このアルバムも良かったですが、今作は彼らの80年代全盛期の大ヒット・アルバムです。
全米5位まで上昇し、1曲目の[Private Eyes]と3曲目の[I Can’t Go for That (No Can Do)]は全米シングルチャートNo.1を記録します。

まずは率直なキーワードからです。

1. 1曲目の[Private Eyes]からポップテイストのあるロックンソウル
2. 聴きなれた曲だが改めてアルバムで聴くと一味違う
3. 3曲目は超名曲。ただちょっとこのアルバムの中では浮いているかな。
4. 5曲目までのいわゆるA面は名曲揃い。
5. 後半もだれない。捨て曲なし
6. ロック的な曲が多くなるがバラエティ豊か
7. とにかく全ての曲が良い。
8. 曲の良さにおいては今作に肩を並べるアルバムはあまり無いのでは
9. 彼らの代表作と言われるのがよくわかる


といったところです。

1曲目の[Private Eyes]は彼らの一番有名な曲かもしれません。
名曲・ヒット曲をたくさん作ってきたホール&オーツですが、一般的に彼らといえばこの曲というイメージです。
僕はあまり記憶にないですが、90年代にソニーのデジカメ サイバーショットのCMソングに起用され、日本では特にそうでしょう。
オープニングのビンテージ感の溢れるギターフレーズ、キャッチーなサビとハンドクラップの合いの手が印象的な80年代ヒット曲の代名詞です。
この曲ほどポップスとロックとソウルを見事にミクスチャーした曲って過去から現在まであるのかという位、忘れることの出来ない曲です。
彼らのキャッチフレーズであるロックンソウルという言葉は伊達じゃない。

「THE80年代洋楽」という企画のオムニバス・アルバムや特集があればかなりの確率で入る曲でしょう。
PVはやっぱり時代を感じさせますが、私立探偵の衣装をしたメンバーとやけに笑顔なダリルの歌う姿が印象的です。

初めて聴いた2曲目[Looking For a Good Sign]はモータウン・フレーヴァーの良曲。
ダリルのヴォーカルとジョンのコーラスのコンビネーションがばっちりです。

それに続く3曲目の[I Can’t Go for That (No Can Do)]は僕がホール&オーツで一番好きな曲。
彼らお得意のフィリー・ソウルです。
セクシーでスムースであり、クールでありながらもホット。
ポップソングの魔法のような曲です。

PVは[Private Eyes]同様にシンプルな演奏シーンですがライティングがやたらと強めで観ててすごく眩しい。それでもダリルの歌う姿がめっちゃカッコ良かったです。

4曲目の[Mano a Mano]は初めて聴いた曲。
サビのフレーズが一発で耳につく明るく心躍る曲です。
これは2曲目とは逆にジョンのヴォーカルとダリルのコーラスワーク。
ポップロックっぽい曲にジョンのソウルフルなヴォーカルが意外とマッチしています。

5曲目の[Did It in a Minute]も爽やかなポップソング。
この曲もシングルカットされてトップテンヒットとなりました。
これも懐かしさを感じる爽やかの躍動感のあるポップロック。
最近こういった歌メロからサビまで完璧なメロディアスなポップロックが聴けないので嬉しくなります。
シンセが80年代っぽいレトロ感を感じます。

2,3曲目と極上のブルー・アイド・ソウル、1,3,5曲目とソウル風味のポップロックが続きます。
前半のいわゆるA面は一聴した時から良い曲と感じるくらい完璧な構成です。

以降のいわゆるB面の6曲目以降はグッとロック色が強くなります。

6曲目の[Head Above Water]はこのアルバムの中で一番ロック色が強い曲。
こういうロック色の強い曲でも力強く映えるダリルのヴォーカルがカッコ良い。

ロック色の強い曲が続いたと思ったらラストの10曲目[Your Imagination]も良い。
ちょっとブルージーな曲で色気があり少しミステリアス。
アッパー気味に飛ばしたアルバムの締めに落ち着くのには丁度良いです。

B面はA面の華やかさとはちょっと異なる味のある曲が続きます。
それでも捨て曲は一切なし。
A面で既に名盤確定でしたが、B面も何度か聴いて味を感じるようになり、ここでアルバムと曲のトータルで名盤確定。

僕のホール&オーツの印象は、ベスト盤の[Rock'n Soul Part1(フロム・A・トゥ・ONE)]ソウルの殿堂アポロシアターでのライブを収録した[Live at the Apollo]
彼らオリジナルのロックンソウル・サウンドの決定版のベストとライブアルバムでした。

前作[Voices]に似たタイプのアルバムですが、こちらはニューウェーヴの香りを感じたアルバムでした。

今作はソウル調の曲を散りばめながら全体的にポップなロックで攻める展開がちょっと意外でした。
それでもバラエティに富んでいて、とにもかくにもさすがの曲の良さ。
というよりもダリルのソングライターの才能が頂点に達していた時の作品でしょう。
実験的な要素よりもリスナーが気持ちよく感じる聴き心地気持ちを重視したアルバムのように感じました。
ここが彼らの一番の代表作とされる所以かもしれません。

これは誰が聴いてもポップス史に残る名盤中の名盤でしょう。

ではまたお会いしましょう。

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