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これを聴いて死ねっ

ヘヴィメタルやハードロックを中心に作品紹介を行うサイトです。


「Thru' the Looking Glass」 1995

Elegyなどでの活躍で知られるオランダのヴォーカリストIan Parryによるソロ3rdアルバム。
Elegyの1stしか聴いた事が無いので彼の他作品との比較はあまりできませんが、このアルバムでは正統的で良質なハードロックを聴かせてくれます。適度な重さと煌びやかさを持った楽曲に、Ianのヴォーカルが哀愁味を加えて心地よいサウンドを形成しています。プログレッシブな要素は曲のフック程度に止まっており、基本はストレートに聴かせる事を主眼に置いています。
平均以上の曲が揃ってはいるものの割とあっさりかな~なんて思ってたら終盤でやってくれました。演歌泣きのギターとIanの歌唱が上質の哀愁を湛える”Tell Me Why”は名曲です。これぞ漢のハードロック。こんな良い曲が入っているアルバムが中古で600円ぐらいしかしません。買うしかないでしょう。

「The Slaughter Of Innocence, A Requiem For The Mighty」 1997

イギリスのブラックメタルバンドHecate Enthronedの1stアルバム。
Cradle of Filthと比較するとアングラサイドな存在ですが、活動歴は同程度。希少な大英帝国産のブラックメタルとして現在も活動中。
金切り声のヴォーカルが喚き散らしつつ激速で突っ走るスタイル。攻撃的ではありますがブラストビートの使用頻度は高くなく、アクセント程度に止まっています。チリチリとしたギターは割と叙情的なリフを弾いており、メロデスの様に聴こえる部分も。キーボードは幻想的かつ荘厳なニュアンスを与えたり、また時にクラシカルなフレーズを奏でたりと雰囲気作りへの貢献度が高い。とりわけ6曲目での華麗な活躍はかなり琴線に触れるモノがあり、曲自体も名曲と言っていい。映画音楽の様なスケールのインスト曲も聴き応えあり。
北欧のバンドと比べるとどこか作りもの臭さがあるのは否めませんが、一方でそれが何とも言えない不気味さを醸し出してもいると言う奇妙なバランスの作品。

「Personal Crisis」 2006

イギリスのヘヴィメタル/ハードロックバンドSteve Grimmettのアルバム。
Grim ReaperやLionsheartでその歌唱力を振るったヴォーカリストSteve Grimmettによるバンドです。ちなみに私の好きなヴォーカリストではGraham Bonnetに次ぐ二番目に位置しております(どうでもいい)。
さて、アルバムの内容は正統派もド真中を行く正統派ブリティッシュヘヴィメタル/ハードロック。さすがに超キラーとなるような曲は無いものの、彼のこれまでのキャリアの集大成とも言える実に充実した楽曲が目白押しで、キーボードによる印象的な主題で幕を開け、哀愁溢れるサビを聴かせる1曲目、伸びやかなSteveのヴォーカルが心地よい疾走ナンバーの2曲目、オッサンのヤサグレ感を匂わせる4曲目、女性ヴォーカルとの掛け合いが華のアグレッシブな6曲目等々、平均以上のクオリティは折り紙付き。まぁ似通った曲が多いのはやはりこの人のクセなのだろうか。
やや枯れた味わいとなったSteveの歌唱に時の流れを感じますが、湿り気と暖かみのある本作のサウンドにはむしろよくマッチしています。彼の歌が先立っているとは言え、それを支える演奏陣の力強さもなかなかの聴き応え。
やかまし過ぎずしかし緊張感は途絶えず、何度リピートしても心地よい。こんな良いアルバム聴かなきゃ損です。Steveのファンか否かは問わずブリティッシュ好きはぜひとも手に取って欲しい。

ところでSteveよ、最近作品が少ないがそろそろアンタの声が聴きたいぜ。
※Grim Reaperで出してくれたらチビります。

「In My Dreams ... I Am Armageddon」 1998

ノルウェーのメロディックデスメタルバンドThe Embracedの1stアルバム。
泣きのトレモロを刻みつつ疾走する正統派メロデス。メロディの雰囲気がちょっとIn Thy Dreamsに似ている気がする。女性ヴォーカルの導入など変化球を投げようとしたりもしていますが、やや中途半端かな。アグレッション、メロディの質ともになかなか良いのですが、残念なのは音質の悪さ。籠った粗い質感はそれで良し。しかし分離が悪過ぎる。折角グッと来るトレモロを弾いているのに非常に聴こえにくい。2曲目とかかなり好きなのになぁ。ドラムも後ろに引っ込み過ぎ。ヴォーカルだけくっきり聴こえるのでそっちにばかり耳が傾注してしまう。途中でこれじゃダメだと思わなかったんですかね。そこを割り切れば先述した通りなかなか楽しめますがね。




「The Birth」 2001

2ndアルバム。二作目にしていきなり大作志向になった。10分越えの曲が3曲もあり、他も大体5分以上。長々としたアコースティックパートやジャズの様なシャッフルを取り入れたり、OpesやCynicなどのプログレッシブデスを意識した作りも見られますが、そこまで捻った展開は多くなく基本ストレートです。トレモロはあまり用いずザクザクしたリフ中心になっており、メロディの扇情度は前作の方が上ですが、緩急のしっかりしたキレのあるズバッとした演奏はグッド。前作にあった音質の問題に関しては解決されており、クリアで聴き易くなった。1stもこの音質なら良かったのに…
尺的なとっつきにくさはあるものの、音の迫力は目を見張るモノがあり、聴いて損は無いと思います。もう一作ぐらい聴きたかったですが、二作で打ち止め。

「What The Wolf Brings」 2004

日本のメロディックデスメタルバンドBereavedの5曲入入りデモ。
調べてみたらデモなのか。私はEPだと思っていた。他の作品は聴いていませんが、このデモの内容は非常に疾走感があり、かつメロいメロデス。猪突猛進の突進力はデスラッシュ的でもあります。演歌泣きのクサクサツインリードを乗せて前のめりに突っ走るのみ。この潔さがカッコイイです。わざとなのかデモだからなのか知りませんが、この粗い音質もスタイルにマッチしていてポイント高い。かつての北欧メロデスと比較しても遜色無いレベルだと思います。個人的には100点あげたいです。