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これを聴いて死ねっ

ヘヴィメタルやハードロックを中心に作品紹介を行うサイトです。


「The Prophet」 1985

イギリスのヘヴィメタルバンドOmegaの唯一のアルバム。
NWOBHMのひとつに数えられるバンドであるものの、デビューしたのは末期の1985年。埃っぽい音やシャウトしないヴォーカルなどまさしくと言った感じですが、その音楽性は後のプログレッシブメタルのはしりのよう。内田裕也を1.5倍くらい上手くした様な歌が入るスローで陰鬱なパートとメロディアスな疾走パートが交互に出て来る構成が多く、複雑ではないが間違ってもストレートではありません。ギターが奏でる叙情的かつ物悲しい旋律はかなり魅力的で、長尺めな曲が多いながら退屈させません。後ろでフワフワ鳴ってるキーボードも良い味出していますねぇ。80年代って感じの音だと思います。
5,6はスタンダードな疾走ナンバーですが、正直これまでの雰囲気をブチ壊しにするのでいただけない。特に6はこっ恥ずかしいのでやめて欲しい。
名盤一歩手前な惜しさはありますが、あの時代にこんなのを演っている連中がいたんだと言う資料的意味でも聴いてみて損は無いです。
※実は前身バンドであったApocalypseと言うバンドが復活して今も活動中なのです。

「Right In The Guts」 2012

AcceptのギタリストHerman FrankのバンドHerman Frankの2ndアルバム。
昔のバンドばかり漁っている内に最近のバンドとすっかり疎遠になってしまったのですが、久しぶりに買ったこのアルバムは良いなぁ(とは言え2年前の作品ですが)。こう言うメタル応援歌的なバンドが現代においてもしっかり存在してくれているのはホントに頼もしいです。
Herman Frankと言う人はAcceptやSinner以外にも年代問わず色々なバンドに色々な形で関わっており、そしてそのどれを見てもMetal Metal Metalなんで、ホントにメタルが好きな筋金入りのメタル人なのでしょう。そんな人が自分の名前を冠したバンドで妙ちくりんな音など演るはずもなく、最初から最後まで一直線の燃えるメタルサウンドが詰め込まれています。走る曲のカッコ良さは言わずもがな、ミドル、スローでも野郎コーラスを効かせてどっしり聴かせる手腕はさすがです。完全にクリアと言うわけではない音質も、小奇麗なモノばかり求める輩には靡かんぞと言う意志の表れみたいで、これは紛れもなく漢の音だなぁ。At Vanceなどでの活動で知られるRick Altziの働きも素晴らしく、しっかりと歌いこなしながらもひけらかさない、あくまでひた向きな歌唱がアルバムの力強さに大きく貢献しています。
何が正統派でそうでないのか分らなくなった時はこのアルバムを取れ。ガッシリと肩を抱き、道はここだと指し示してくれる、そんな作品。

「Thundersteel」 1994

ドイツのメタルバンドThundersteelのアルバム。
バンド名に釣られてこの作品を購入した人がどれだけいるのやら・・・私もそのクチですが、内容的にはツーバス踏み鳴らしながら突っ走るごく真っ当なパワーメタルで、Riotのあの作品の様なモノを期待すると肩透かし食らいます。ギターはなかなかクサくて勇ましいメロディを弾いており、ちょっとウザいがまあまあ。一方80年代を引きずったダミ声のヴォーカルが歌う歌メロはいま一つ。て言うかこのアルバム、ヴォーカルが引っ込みすぎじゃないですかねぇ?まるで歌だけ隣の部屋で録ったみたいになってるじゃないですか。音量をでかくしてヘタさが露呈するのを恐れたんでしょうか。確かに一本調子で歌唱力があるとは言えないですが。
94年と言えばメタル冬の時代真っ只中ですが、そんな時期にここまで正統派の音を演った事は評価したい。だけど出来は普通のB級メタルですな。
ただし、日本盤ボーナストラックの”Holy War”、この曲は良いなぁ。歌メロもカッコイイし、中盤のギターソロもクサクサです。これ聴けただけでも元取った感じです(中古で買ったし)。で、バンドですが、案の定これ一作で消えてしまいましたとさ。

「Rock You To Hell」 1987

イギリスのヘヴィメタルバンドGrim Reaperの3rdアルバム。
前二作もNWOBHMとしての出来は良いものの、残念ながら私はこのアルバムを最初に聴いてしまったのでどうしても物足りなく感じてしまいます。
兎にも角にも徹頭徹尾、メタルの良いところを凝縮したキャッチーかつ熱いナンバーが最初から最後までブッ放されています。演奏面を必要最小限にしてSteve Grimmettの歌唱を前面に押し出したのは大正解で、即効性抜群。一気に聴ける作品に仕上がっています。前作までは楽曲に対してSteve Grimmettの歌唱力が余っているきらいがありましたが、今作の楽曲とのマッチングは素晴らしく、ドラマティックな展開に彼の伸びやかでパワフルな歌が乗るとこれ最強です。
この作品を指してよく、似たり寄ったりの曲ばかりで一本調子だと言われますが、ウン、確かにそうだと思います。でもそれは欠片程も問題になりません。だってどの曲もこんなにカッコイイのですから。1,4,6とかいつ何時聴いても熱いモノが漲ってきます。メタルを聴いていて良かったと思わせてくれます。それ以上何を望むんでしょうか。
メタル初心者はIron MaidenやJudas Priestより先にこのアルバムを聴けと本気で思います。これを聴いて何も感じないならメタルを聴くのは諦めた方が良いです。かれこれ30年近く前の作品ですが、現在でも容易に入手出来る事がその存在価値を示しているんじゃないですかね。
と言うわけでまだ聴いたことの無い方は馬車馬の如くお店に駆け込みましょう。
Rock You To Hell !!