
「Deus Deceptor」 2002
スウェーデンのエクストリームメタルバンドNonexistの1stアルバム。
現在ではSkyfireにも在籍しているマルチプレイヤーのJohan Reinholdzを中心に、ヴォーカルにはスウェディッシュデスメタルシーンの重鎮であり、Arch Enemy初代ヴォーカリストの経歴も持つJohan Liiva、ドラマーにはDark FuneralやDefleshedで激烈ドラミングを披露していたMatte Modinと、分かる人にはなかなか豪華なメンツでスタートしたバンドです。
ジャンルの枠に捉われないエクストリームメタルと化した2ndと比べると、この1stの時点ではまだメロデスらしいサウンドでした。アグレッシブなパートとメロディアスなパートの住み分けがきっちりしていると言う点では、Johan Liivaがヴォーカルを取っている事もあってどうしてもArch Enemyっぽく聴こえてしまいますが、そこまで泣き泣きと言う訳ではなく、基本はテクニカルでブルータル。そんな中6曲目の”A Halo Askew”は今作随一のキャッチーさを持つ必殺チューンとなっており、クサメロデス好きなら一度は聴いておくべき。ただし悲しいかな、この曲のインパクトが強すぎて他の曲が印象に残らんのですよ。出来は決して悪くなくて、11曲目とかも好きな部類なんですが、私は結局リピートするのは6曲目ばかり。逆にこう言う曲が嫌だって人も当然居るでしょうけど。
あと今作のJohan Liivaの歌唱はどうも好きになれないなぁ。意識的に抑えているというか。彼らしくない。近未来的でドライなプロダクションも、彼のヴォーカルとは相性があまり良くない気がする。
バンドサウンドとしての迫力は2ndより断然上。

「From My Cold Dead Hands」 2012
スウェーデンのエクストリームメタルバンドNonexistの2ndアルバム。
とっくの昔に消えたと思ってましたんで今作が出た時はビビりました。再始動に当たってメンバーはJohan ReinholdzとJohan Liivaの二人だけになり、しかもJohan Liivaは歌唱のみの参加との事なので実質Johan Reinholdzのソロプロジェクトと言っていいです。また、Matte Modinが抜けたのでドラムはプログラミングとなっております。
テクニカルかつ激しく矢継ぎ早に展開しながらところどころで薄らと叙情性を見せると言う基本的な方向は前作と変わっていないものの、今回は明確なサビを設けてよりメロディアスにキメる楽曲が多くなったのでかなり聴き易くなりました。2曲目とか5曲目の様にここぞ言う所で必殺のフレーズを繰り出されると泣けてきます。相変わらずArch Enemyめいて聴こえたりするのはご愛嬌。
一方、ただ激しく鳴ってるだけの打ち込みドラムやほとんど聞こえないベースなど、バンドサウンドとしての味気なさは勢いと言う意味でのアグレッションを大きく削いでおり、それをカバーしようと弾きまくるギターも時にひとり相撲みたいになって聴いている方は置いてけぼりな感があるのは否めません。
最低限メロデスの土俵に立っていた前作と比べると、今作は最早ジャンル不明のごった煮エクストリームメタルと化していますが、そう言う中でJohan Liivaがヴォーカルを執っている意義は大きく、ともすれば収拾不能に陥りそうな今作にひとつの筋を通しているのは、激情を撒き散らす彼のブレない歌唱に他ならないと思います。。
前作が好きな人には少々物足りないかもしれませんが、私はメロディ派なので結構気に入ってます。”A Halo Askew”級の名曲が無かったのは少々残念かな。まぁJohan Liivaの達者振りが聴けたのでそれで十分です。たはは。
※日本盤はEucharistなどのカバーが収録されています。しっぶいチョイスだなぁ・・