実はこれは、私の友人からヒントを貰った。

 友人と言うのは現在の友人だ。彼は日本人なのだ。

 

 私には何故か日本に関する知識がある。(記憶やコードが存在すると言った方が正しいのだろうか?)

 私は紅茶かコーヒーかと問われれば、コーヒー派だ。だが、日本の茶は非常に美味であったとの記憶がある。私は以前何をしていたのだろうか?

 

 彼は自らをEと名乗っている。その由来を聞いて私にも何かが刻まれたようなのだ。

 

 彼はドラゴンに関する記述に非常に興味を示していた。彼の話では西洋のドラゴンと東洋のドラゴンは若干違っているという。西洋の場合は漢字として『竜』をあて、東洋の場合には『龍』をあてるということだ。彼は『龍』との繋がりを感じつつ世界に眠る記述を集めたかった。そこに私達が同調したわけだ。

 

 そしてもう一つの伝承。ドラギュリアについて。

 吸血鬼。そんなものは存在する筈は無い。そう言っていられるのは少し前までのことだった。今でも居るかどうかは不明だが、居ないと断定するのは危険となって来た。我らの稼業を営む上では何らかの備えは必要となるだろう。

 

 ドラギュリアと言うコードには、何が含まれるのだろうか?

 

 竜の子、悪魔の子、というものもある。

 竜公の息子、というものもある。

 竜公とは、戦場で竜騎兵であった故に、功績として贈られた名前……だったか?

 

 ともかく、彼は自らのミディアムとしての性質を『龍』とドラギュリアに重ね合わせDと名乗ろうとした。だが、前述の理由によりEと名乗った。

 

 そういうことだ。

 

 現在、Eは日本の暗号作成、解読のための特別な立ち位置で仕事をしているそうだ。詳しくは教えてもらえない。まあ、当然だな。もしかしたら、彼も日本で私とアイザックのような活動をしているのかもしれない。