「なんで宝塚歌劇を好きになったのか」
さて、よくある質問で「なんで宝塚歌劇を好きになったのか」というのがあります。
男の分際でなんで好きなのか、女性の皆さんには不思議なことなのでしょう。
実はワシが生まれ育ったのが宝塚市です。しかしそれは理由ではありません。
郷土愛的に好きであるということは否めませんが、決してそれが理由ではないのです。
隣家のお姉ちゃんがよく遊んでくれましたが、これが理由としてはデカイです。
ワシが2歳くらいの頃から5歳くらいまで、ウチに来てくれていたのです。
来てくれていた、というか、昔の家で、庭続きだったので自然と会います。
これが宝塚歌劇団51期生の方だったのです。もちろんそんなことは
全然知らずに「あけみねえちゃん」と呼んでいました。
実は現役タカラジェンヌに毎週抱っこされるという貴重な体験をしていたのです。
今はタカラジェンヌどころか誰ひとり抱っこしてくれません。当たり前じゃ!!
なので宝塚歌劇というものは、スターがいるキラキラ輝く夢の世界という感覚は
無く、近くのおねえちゃん達が通う音楽の学校で舞台で演技もしてはる、程度の
ことしか感じていませんでした。特にその舞台を観ることもなく、宝塚に行けば
おねえちゃんのいる歌劇、よりもファミリーランドにしか興味ありませんでした。
小学生の頃、ベルサイユのばらが流行し、それが宝塚歌劇団でやることに
なったのですが「へー」くらいのもので、他に特別何も思いませんでした。
当時、確かNHKかどうか忘れましたが結構な頻度でテレビでタカラヅカを
観ることが出来まして、その時にそのベルばらを観たのです。
ファミリーランド行った時など、炭酸せんべいの缶やらポスターやらで
死ぬほど見てたので、その時初めてタカラジェンヌってこんなんなんや、と
思ったということではありませんでした。いつの間にか知っていた感じです。
たぶん宝塚市民なら大概こんなもんです。
で、最初の感想は「ウワー、これ漫画ファンの人、怒るんちゃうの」でした。
そら漫画のオスカルは目ーキラッキラしてますし、何より鼻の穴ないし、
足、アホほど長いし登場人物すべてカッコエエし、比較するんもアレですが
率直な感想は、そういうものでした。ところが、汀夏子さんをそれで知り、
初めてちゃんと観て「うおーーカッコエエ」と思ったのです。
そこで、変な話ですが、地元の誇りというかなんというか、そういった
感情が湧き出てきたワケです。それが最初のきっかけです。
恐らく隣の西宮市に住んでいて隣家にジェンヌの姉ちゃんが住んでいなければ、
今でも全く興味なかったと思います。
もうひとつ興味を持った理由があります。小学校で同級生になった子が
「わたし、タカラヅカ入る」と言うてて「なれるかアホー」言うてました。
その子が高校の頃、友達はいっぱいいたほうがいいから友達でいてね、
でもあまり遊ぶ時間はないけど、、、と言ってバレエやら何やらでほんまに
忙しそうにしてて、気付いたら音楽学校の制服着て帰ってるのを見て、
ワシはそれを見つけて真後ろで「すみれの花咲く頃」を唄ってやりました。
振り返って笑ってくれたその顔が今も思い出せます。
ワシから音校生への「逆すみれの花」を披露した珍しい経験が出来ました。
しかしそれでも舞台を観に行くというようなことは全くありませんでした。
高校の時なんかは通学路が花のみちでしたが、入りや出待ちのおばちゃん見て
理解できなかったくらいです。いや、正直嫌悪感すらありました。
会の人であろう方に「ここで立ち止まらないで」と言われて、劇場の屋根が
崩れ落ちるくらい怒鳴り倒したこともあります。なに公道で勝手なこと
言うとんねん、と。まあ、今では理解できますが血気盛んな高校生には
通用せんことでした。それから数年して、友達の知り合いの女の子2名が
東京から遊びにくる、ということで、頼まれて(男2女2にしたかったらしい)
タカラヅカ初観劇となったのです。大地真央さんと黒木瞳さんの公演でしたが
題名はおろか内容も1ミリも覚えてません。
しかし「いややなー」と思いながら観たその舞台は、意外や意外、とても
楽しめるものでした。しかしまだ、なんで女性が女性好きなのか理解は
出来ませんでした。(しかしタカラヅカは男の観るモンやない、という
感覚も体に染み込んでいましたので、とにかく不思議だった)
その頃、隣のあけみねえちゃんはいっつもワシのクルマの前に自分の黄色い
ベンツのオープンカー停めていたので、ワシが出かける時はいつも邪魔で、
クラクション死ぬほど鳴らして「あけみねえちゃん、クルマどけてー!!」
言うてました。なのでワシは元タカラジェンヌにいっつも怒鳴ってたと
いうことになります。今、当時の事を薔薇くわえて土下座したい気分です。
ちなみにねえちゃんの娘さんは瀬奈さんや祐飛さんや檀れいさんと同期の
方です。たぶんワシ泣かしたことあります。
なのでワシは未来のジェンヌを、、もうええか。
それから全くタカラヅカには触れませんでしたが、タカラヅカの話が出ると
「せやねん、地元やねん」みたいな、自分全く関係ない分際で少し自慢気に
思う、みたいなアホな感覚になりました。なりましたいうか、ちっちゃい頃
からそういうのはありました。余談ですが音楽学校は今と違うところに
あって、看板なんか腐ってボロボロで何書いたーるかよう見なわからんほど
汚かったのを覚えています。ちなみに音楽学校の生徒は無愛想でいっつも
電車立っとって可愛い子がほとんどおらん上に歩き方軍隊みたいで足太い、
くらいの印象しかありませんでした。そら、あの制服で流行りもクソもない
髪型でオシャレも出来ん学生なんやから、当たり前の話ですが、同い年の
当時のワシらにはそんな解釈しか出来ませんでした。
普通にアホやっただけです。
そして今から10年ほど前、ひょんなことから手にした宝塚グラフ(本)の
表紙に瀬奈さんと水さんを見つけました。ここで瀬奈さんを見て、一瞬で
「あー!この人絶対トップなるわ!」と思いました。何の知識も全然
ありませんでしたが、単なる直感で。
それから宝塚のエリザベートのDVDを観る機会がありまして、そこで
ルキーニをやっている人に惹かれました。この役の人ええなあ、きっと
大成する人なんやろうな、誰やろな、と思って名前見たら、なんとなく
覚えがあったので、もしかして!と思いました。
「捨ててないはず、捨ててないはず」言いながらグラフ探したら、まさに
それが瀬奈じゅんさんだったワケです。そこから宝塚が好きになりました。
いや、言うほど好きやないかもしれません。そない観劇せんし。
これまた余談ですが、地元ゆえにそう思うのか何なのかわかりませんが、
「ムラ」というのはなんかバカにされてる感じがするのでワシは絶対に
言いません。もちろんそういう意味ではなく、場所の固有名詞として
存在するのはわかりますけどね!これ、地元民やジェンヌさんが自分らの
おる場所を「宝塚なんかなんもないよ、村だよ」言うならわかるけども、
ヨソの人に言われたないなあ、みたいな感覚なのです。
で、ボロッボロの音楽学校、温泉の横の動物のニオイが充満する場所に
ある大衆演劇場、そこらへんのお姉ちゃんが頑張って演じてるから多少は
ショボくて学芸会みたいな時もあるけど、全然オッケーと思っているので
マチネとかソワレとか死んでもサブすぎてよう言わん。
それは宝塚で生まれ育ち、身近にあったワシらにしかわからんことなので
今現在それを言うてる人を否定してるワケちゃいますよ!
ワシ、実はミュージカルや演劇が非常に苦手なんですが、それもよく
言われまして「それやのになんで宝塚好きなん!!?」言われます。
その理由はたったひとつ「タカラヅカだから」だけなのです。
最近ヅカメン(男性タカラヅカファンのこと)が増えてどうのこうのと
いうのをよく聞きますが、インテリ中年が好むそれとワシの感覚は
恐らく対極に位置すると思います。全く違う。
それにワシのほうが絶対インテリやし。インテリ通り越してインテルやし。
どこ目指しとんねんワシャ。
他にも、タカラヅカを好きな女性ファンが多いから、その方々と
お近づきになるのが目的だろう、と仰る女性もいらっしゃいましたが、
全くそれは違います。どっちかというとタカラヅカ好きな女性には
出来るならお近づきになりたくない、と普通の男は思います。
だってよう考えてみ!めっちゃ嵐好っきゃねん!言うて入り出待ちして
ジャニーズ運動会行くのん必死にチケット探す男と友達なりたいか?
あ、それはそれでオモロイか・・・・。いや、でも普通思わんやん。
そういうことに近いんやと思うんですよ。
またこんなん書いたら語弊あるけど、一般人から見たタカラヅカなんて
そんな感覚やと思います。ヅカファンの皆さんは「普通の人からすれば
私ら気色悪いと思われても仕方ない」くらいのことを思っていたほうが
ええんやないかと、これは今でも本気で思います。
ワシなんか友達がウチに来てファントムのDVD見つけて「たっちゃん、
なんでタカラヅカのDVDなんかあるん?」言われましたからね。
なんで、言われても。
阪急宝塚は改札で切符手渡しして正面にパチンコ屋があって、どうやって
生計立ててるんやろ?と思うような炭酸せんべい屋さんがあって、
花のみちガッタガタで木の根っことか飛び出してて、右は温泉左は呉服屋、
ファミリーランドの入り口近づいてきたら熱帯地方の鳥の声がして、
めっちゃクサイ、みたいな風情の昔の姿のほうがよく覚えているので
今の宝塚を見ると、なんやこっぱずかしいような感じになります。
どちらかというと、そんな昔の宝塚のほうが好きでしたが、今は今で
またおしゃれな感じになっていて嫌いではありません。
さて、話を戻しますが『瀬奈じゅんさんを好きになって』からですが、
その時に仲良くしていた女性の友達が、なんの権力か知らんけども
いつもSS席4列目を用意してくれたので、初日だろうが千秋楽だろうが
関係なしでいい席で観れました。春野寿美礼さんのファントム初日を
観たのが何十年振りの観劇で感激でした。(シャレやないよ!)
千秋楽も体験して、当時、なんべん幕開くねんとは思いましたが、
もう今はそんなん思いません。
暁のローマを観劇した時も瀬奈じゅんさん「しか」知らずに観たので
この轟悠って人はトップでもないのになんで主役なん?と思うような
レベルでした。なのでキリヤン、祐飛さんも勿論知りません。
目の前の銀橋で横たわる祐飛さんを見て「この人ジャニーズみたいやな」
という感想と霧矢大夢さんがオモロイ人やな、くらいしか
思いませんでした。肝心の劇は、なんかおんなじセットばっかり
出てくるし予算なかったんかな?と思いましたし、歌詞もなんだか
えらいえらい、いうとるしカエサルはカエサルて当たり前やないか、
責任者出てこーい!くらいのモンで、内容全く覚えていません。
けど、レビューで瀬奈さんが三日月に乗って出てきたような、そんな
記憶があります。(全く違うかもしれない)
そんなSS席当たり前体験も5~6回で終わり(諸々の事情があって
仲良くしていた女性と縁が切れたのであります。詳細別紙。)
ウソ。別紙で語れるかいなそんなモン。
今、そんな席で観れたなら、もっと楽しいだろうに、あの時のワシは
完全ビギナーだったので仕方ありません。まあ、それがきっかけで
そこそこDVDやら何やらで宝塚歌劇を楽しむようになりました。
エリザベートもマネーパワーで10列より前で何度も観まして、
当時の彼女(タカラヅカを全然知らない)に、いろいろと教えて、
結局瀬奈さんの大ファンになり、彼女ひとりで観劇に行ったり、
いろいろDVD買ったり、付き合わされて入り出待ちなんかも体験
しました。普段そんなん絶対せんけど。
(今はパワーエンプティでB席の父と呼ばれています)
瀬奈さんの最後の時は、バウで映像観れる抽選に行きまして、
そこで一枚しか当たらんかったので彼女にあげてワシは帰りました。
残念な気持ちにもならなかったので、まあ、その程度のモンです。
今現在もそない知識がないのですが、そこそこわかるようになって
きたのは、やっぱりジェンヌイラストを描くようになってからです。
実はなんで描き始めたのかわかりませんが、恐らく発端は
マリスミゼルのMANA様(ビジュアル系バンドが好きなら誰でも
知っている)を描いて、美しい人を描く楽しさを感じたことと、
なんぼ好きでも男がジェンヌの写真など飾ることは不可能!と
思ったからだったと思います。
で、描いていましたら役名なんかもだんだん頭に入るようになり、
また、描いてからその後にDVDなどで観る、といった感じにもなり
「ああ、これがワシの描いた人か。こんな感じやったんか!」と
思ったら、また描く印象も違ってきました。なんも知識ない状態で
描いたものよりも、いろいろ詳しく知ってから描いたほうが、
結局はええ感じの出来になりますし、描きたい場面がヅカファンの
「そうそう!この場面のこのポーズが!」という気持ちもわかる
ようになってきたので、まあ、良かったと思います。
それからは、そない頻繁に観劇に出かけるほどのファンではなく、
暇やし行こか、程度のものですのでいつもB席です。
これもまた地元ゆえの利点です。逆に遠ければ今の状況でも
恐らく出かけたりはしないでしょう。なのでワシの観劇行動範囲は
宝塚大劇場と梅田芸術劇場の、せいぜい電車で20分くらいまでの
距離に限られます。多くて年に5~6回程度のものです。
あ、そういえば「レビュー要らん派」でしたが、NEW WAVEで
思いのほか楽しかったので、それはなくなりました。
依然として、デュエットダンス、ロケット、ラブシーンは苦手ですが
前ほどではありません。だんだん慣れてくるもんですな。
運動会は数年前から「10年に一回の、しかも100周年の運動会だけは
どんなことがあっても行きたい」と思っていましたが、それに
行くためにイラスト入りウチワなんか作って持っていくくらいには
恥ずかしさもなくなってきたので、かなりのモンでしょう。
普通オッサンでそんなんおらんよ絶対。キモオタやないかワシ。
長々と書きましたが、これがワシが経てきた宝塚歌劇団のお話です。
これからも飽きることはないと思いますが、イラストを描き続けて
いこうと思います。