関ゆき子の練習画。


イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第1話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第2話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第3話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第4話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第5話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第6話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第7話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第8話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第9話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第10話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第11話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第12話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第13話
イラスト:(特別編)8マン「黒い破壊者」第14話(最終話)

今回オリジナルストーリーを作った「黒い破壊者」は、『8マン』の超人類ミュータント編と魔人コズマ編のちょうど間で起こったエピソードということにしています。

☆どんな攻撃も跳ね返す防御まくを長時間使い続けると空気の出入りがないので酸素欠乏で窒息してしまうという発想は、SF作家フレドリック・ブラウンの短編『20世紀発明奇譚』の中に既に出てきます。

 

☆超人類ミュータント編では、谷博士が光を通す防御まくを打ち破るレーザー光線を8マンに取り付けるまでは手も足も出なかったことになっていますが、防御まくごしに会話をしているところを見ると音は通すはずなので、8マンが10万キロワットの電撃ではなくフォノンメーザー(レーザー光線のように集束した音を放出したもの。本来は通信に使うものだが、魔人コズマ編ではじめて神経組織を破壊する兵器として使用された)を使っていたら勝てたかも?という気がします。

☆8マンが最後に使う負のレーザー光線は、実際にレーザー光を用いて気体分子の温度を絶対零度近くまで冷却する方法がありこれがヒントになっていますが、この作品の中では全く違う原理を用いています。
『レーザー冷却(Wikipedia)』

☆『幻魔大戦』(平井和正原作石ノ森章太郎画)で東丈が熱エネルギーを全て吸収する巨大火竜に対する決め技として使った超能力絶対零度は、「熱エネルギーの流れを逆転した」以外に詳しい原理の説明はないのですが、外部から熱エネルギーを与えるのではなく、もともと持っている熱エネルギーを他のエネルギー(光とか)の形で全部放出させたら逆転したことになるのではないかと思い、今回の負のレーザー光線の原理として採用しました。

『幻魔大戦』は後に小説になったり映画になったりする大作ですが、やはり私としてはこの初期のコミック版が1番好きです。劣等感の強い東丈の性格設定がちょうどこの時期の繊細な心理をできるだけ画的に表現しようとする石ノ森章太郎先生の方向性とぴったりマッチした感じなのがいいですね。

『幻魔大戦(Wikipedia)』

☆『ゴッド・アーム』(梶原一騎原作桑田次郎画)は、8マンとよく似た改造ヒーローと異星人との戦いを描いたSFコミックですが、登場する敵の最強ロボットデビルアーム(太陽の中心でも溶けない合金でできている)に対抗する手段として冷凍魚雷と冷凍ガスを使って氷結させた海の中に閉じ込める描写があります。8マンがこの黒い破壊者編で無敵の防御まくを持つ敵のロボットを巨大な氷塊に閉じ込めるのはこのあたりから思いつきました。
『ゴッド・アーム』は『8マン』に比べると知名度が低いですが、非常に面白い漫画で、桑田次郎先生の画力は『8マン』の時より円熟しており、特に通常装備では飛行能力がない『8マン』ではあまり描かれなかった空中戦が多いので必見です。

『ゴッド・アーム(Wikipedia)』

☆魔人コズマ編において,コズマ博士は鉄を金に換えたり水を溶けた鉄に変えたり以外に、体を大きくしたり東京タワーの脚をどろどろに溶かしたりする純粋な元素変化ではないような力も使いますが、これについてはこのストーリーの中でコズマ博士本人に「原子核に干渉し元素を自由に変換する力にかかれば、原子間力に影響を与えるのは雑作もない」と説明させておきました。
 

☆氷の中に封印されて永遠の眠りにつく前の関ゆき子が2つの相反するメッセージを残すのは、平井和正作品に良く登場する無意識の悪の力を自分では制御できず悲劇的な死を遂げるヒロインをイメージしました。『8マン』でいえば魔女エスパー編に登場する1人の人間に2つの心が宿り、復讐につき動かされた悪い方の心が魔女になって暴走し良い方の心が自害してそれを食い止めようとする小島ナミですね。

『8マン(Wikipedia)』

【今回描いた絵】