圧倒的なランニング! | ムーブメントコーチ ロボラガーのブログ

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ムーブメントコーチ(重心移動のスキルを指導)として、高校生や大学生中心にトレーニング指導をしております。現場での試行錯誤を書きたいと思います!

School of movement 認定 マスターコーチ

今から30年以上前の、高校の入学式の後、中学の同級生
2人と野球部の門をたたいた。
 
すると、明らかに私が今まで出会った人たちとは、違う匂いのする、言い方を変えれば、熱量が違う一人の先輩が応対してくれた。
我々3人は、一足早く野球部に入った他の1年生とランニングをすることになった。全部で7〜8名だったろうか、縦2列で走った。その野球部のランニングを覚えることが、どうやら最初に1年生がやらなねばいけないことのようだった。まず、誰かが掛け声をかける。
「気合入れろ!」
すると、他の選手が「オー!」
「イチ・ニー!」「オー!」「イチ・ニー!」「オー!」と、掛け声をかける選手が「イチ・ニー!」と叫び、残り全員で「オー!」と叫ぶのが、それが、そのチームの声がけのようだ。
そして、同時に、これが難しいのだが、足を揃える必要があるのだ。「イチ・ニー!」の「イチ」の時に、左足が地面に着き、「ニー」の時に、右足が地面に着くのがルールなのだ。
なぜか知らぬが、そのランニングは、校庭の半分のところで、折り返すのだ。つまり、一度止まり、反転してまた逆方向に走るというのを繰り返すのだ。だから、どうしても、この切り返す時に足が合わなくなるのだ。すると、一緒に走っている先輩の「合ってないぞ!」の声がとぶ。何往復かしても合わないので、一度、先輩が皆んなを集めて、こう話す。
「心を一つにしたら足は揃うんだ!」
そして、再び走り出す。
何度もやっていると、少しずつだが歩調が合ってくる。唯一、声がけをしないのが、切り返すときだ。先頭が止まり、その場でランニングをしている。
「ザッ、ザッ、ザッ、ザッ!」足音だけが聞こえる。全員の足が揃うと、その音は確かに一つの音のように聞こえてくる。あのランニングの、あの足音は、今思い出しても、なんとも言えない、心地よい音だった。
 
私が入部した、東京都立東大和高校野球部は、当時、『都立の星』と呼ばれ、部員も100名を超えていた。そして、そのランニングは、ある意味で東大和の名物と呼ばれるものだった。
総勢、100名が、校庭半分を、縦5列くらいで、各々の間隔は、2m以上離れていた。つまり、小さく固まっていなかったので、もう、ほぼほぼ校庭半分の半分くらいに広がっているのだ。
それが、全員の足音が一致し、とてつもなく気合の入った声でやる。練習終わりの夕方のその光景は、まるで、青春映画の一コマかと思われるほど神秘的だった。皆んなの声がこだまのように跳ね返って聞こえるのだ。

私が卒業した翌年に赴任した先生は、初めて東大和高校を訪れたときのことをこう話してくれた。
「駅から歩いていくとさ、まだ、学校まで大分距離があるのに、途中から聞こえるんだよ、ランニングの時の掛け声が、いやー、あれはホント凄かったな」
 
東大和名物のランニングには、足音が揃う、大きな声以外に、もう一つ特徴があった。おそらく、これこそが、最大の特徴かもしれない。
それは、声がけをリードする選手が決まっていないのだ。まず、歩きからランニングが始まり、ランニングになる。すると、誰かが「気合入れろ!」と叫ぶのだ。この音頭をとる人は、誰でもいいのだ。だから、時には、同時に2人とか、3人とかが、同時に叫ぶこともあるのだ。その場合、複数の人が音頭をとるのだ。そして、それはランニングを折り返すたび毎に代わるのだ。いやー、この仕組みは面白かった。中学までは、大きな声を出すことが苦手だった私は、最初の頃は、この声がけをなかなか出来なかった。多分、相当勇気を出して、やったように思う。ただ、同期に言わせると、私は声がかすれていたうえに滑舌も悪かったので、「イチ・ニー!」ではなく、「ア・チャー!」としか聞こえなかったようなのだが。
でも、この誰でも構わないから、積極的に声を出したい人が声がけをするシステムは、ほんとに良かったと思っている。なぜなら、私のような内気な人間が、これをきっかけに、大きな声を、自ら出すことにためらいがなくなったのだから。大袈裟に言えば、自分の殻を破れたのだから。
なんだか、話が、たかが、私の母校のランニングで長くなったが、でも、きっと、これだけで3時間は語れるほどのランニングだったことは間違いない。さきほど、私のFacebookに、当時の仲間がコメントしてきたので思い出した次第である。