沖縄旅行で彼から聞いたことを

日記風に掲載しています。

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別れてからぼくは、

彼女(私)を追いかけた。

戻って来て欲しかった。


京王線の窓から見る風景、

涙で滲んでよく見えない。


彼女はこの風景を

何百回も見たんだな。


そう思うと

苦しくて悲しくて


彼女に会って謝りたい。

きちんと気持ちを伝えたい。


ぼくは何回も東京へ、

彼女のもとへ、通った。


携帯もない時代。

いつも会えなかった。


玄関先にかけられた

見たことのある傘を見ただけで、

彼女に会えた気がしていた。


その頃のぼくは

幽体離脱を何度も何度も経験していた。


魂が体から抜けて、

天井からぼくを、

もう一人のぼくが見ている。


もう戻らなくていい、

魂のまま、飛んでいきたい。


そんなことを考えていたある日、


大学へバイクで向かう途中、

左折した場所に

いつもはないバスが止まっていて、

僕は激突した。


気がついた時は病院にいた。


死ななかったんだ


と思った。


バイクは?バイクはどうなりました?


警察の人に聞くと、

大破して廃車になりました。


彼女からもらったSUZUKI ガンマ50、

死んだんだ。

僕は死ななかったけど、

彼女のバイクが死んだんだ。


病室の天井を見ながら

一人、泣いていた。


1993年秋