映画『ロッキー・ホラー・ショー』を10倍楽しく見るための豆知識 | Life is Like A Perfectgarden

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ここからは本編の内容に触れていきます。ご注意ください。
あと 『』の中は映画のタイトルになります。


たまに『ロッキー・ホラー・ショー』見たけど面白くなかったという感想を目にします。
でもそれは映画の内容がという以前に少しだけ前知識が必要だからなんだと思うんです。
何故ならこの作品は実はパロディの要素を持っているんです。
何のパロディかというと そう『ロッキー・ホラー・ショー』が始まって最初に歌われる歌『サイエンス・フィクション/2本立て "Science Fiction, Double Feature"』が歌うように 昔のSF映画やB級映画のパロディーなんです。

まず物語の構造がそういった作品のパロディーになっています。
昔のSF映画やB級映画は 物語としての強固な構成というよりは どうやって撮ったのこの映像という驚きと主人公達と一緒に物語をハラハラしながら体験するという事に重きを置いています。
物語のオチや複線の回収などを重要視する現在の物語映画とは少し違うんです。
具体的に言うと トム・クルーズでリメイクもされた『宇宙戦争』が分かりやすいと思います。
(一応 オチは書きませんが 現代の我々にはかなり驚くオチになっています。)
つまり 『ロッキー・ホラー・ショー 』は物語の傍観者ではなく自分も一緒に不思議な館を訪れたと思って楽しむ作品なんです。

それ以外でもセリフや映像でたくさんのパロディが行われています。

そんな映画内の他の映画のパロディや物語上 知っていた方が10倍楽しく見るための豆知識を紹介していきます。


フェイ・レイ

劇中で何回も登場する名前です。フランクン・フルター博士が憧れている女性です。
1933年の『キング・コング 』でヒロインを演じた女優さんです。
劇中でフランクン・フルター博士が「あのやわらかサテンドレスのフェイ・レイ」と言っているのはこの『キング・コング 』のラストシーン等のドレスの事です。
また 『ロッキー・ホラー・ショー 』劇中で『キング・コング 』のパロディーも行われます。


ユニバーサル・モンスターズから
(1920年代から1950年代にかけてユニバーサル・スタジオが製作したホラー映画・スリラー映画・SF映画の通称)

『フランケンシュタイン』


フランクン・フルター博士は名前や役柄からも分かるようにフランケンシュタイン博士のパロディです。
(一応 フランケンシュタインはあの怪物をつくった博士の名前で例の四角い顔の怪物の名前ではありません。)
あと もちろん筋肉美少年ロッキーやエディの頭の傷も『フランケンシュタイン』の怪物のパロディです。

『フランケンシュタインの花嫁』
ラストでマジェンダの髪型が変わるのですがそれが『フランケンシュタインの花嫁』の女性の怪物の髪型です。

『魔人ドラキュラ』
フランクン・フルター博士がトランスジェンダーで例の恰好とかするのですが これは多分ですがトランシルヴァニアと韻を踏むためだと思います。
そして劇中の歌詞の中で「トランスジェンダー フロム トランシルヴァニア~」と歌うのですがこのトランシルヴァニアはドラキュラが住んでいる地方の事です。

『ノートルダムの鐘』『フランケンシュタインの復活』
リフ・ラフの背中は多分 『ノートルダムの鐘』のカジモドと『フランケンシュタインの復活』のイゴールのイメージだと思います。

等があります。

他にも

解説のおじさん(犯罪学者)
昔のB級SFの手法として 特撮はお金がかかるのでこの解説のおじさんに「この宇宙船がアメリカだけでなく各地を攻撃し~」と語らせて
本来は見せるべき映像の予算をカットするという事をよくしていました。
『プラン9・フロム・アウタースペース』などなどで見ることが出来ます。




『ロッキー・ホラー・ショー』普通に単体の映画としてみても不思議な体験が出来ますが少し知識を持っているとより楽しく見る事が出来ます。

是非 劇場で素敵な『ロッキー・ホラー・ショー』体験を。



おまけ話

劇中でスコット博士が壁をブチ破るシーンがあるのですが 実は誰も登場方法を考えていなくてフランクン・フルター博士の実験室に扉がない事に気が付いてあわててあの演出にしたそうです。