僕は子供の頃から、人の顔色を伺う子供だった。
多分これは親の夫婦喧嘩が原因だと思う。
父親の機嫌が悪くないか顔色を伺ってるうちに、とても空気を読む人間になってしまった。

昔、父の田舎へ行った時、叔父さんからお年玉をもらった。その時僕は、

「あ、いや、大丈夫です」

と断ってしまった。たしか小2ぐらいの時だったと思う。
今思えばめちゃくちゃ可愛くない子供だ。

「わーい!ありがとう!」

が正解なんだろう。

芸人になってから、この空気を読むという気質が相当ネックになって来る。
それがいい場面もあるが、大概の場合、「その他大勢」になってしまう原因でもある。
たとえば人に何かを頼まれた時、「断れない」という事もある。安請け合いではないのだが、大抵の場合、僕は断らない。あとで自分が苦しむのはわかってるのに、引き受けてしまう。人の顔色を伺ってしまうから。

それがいつからか、伺わなくなって来たのだ。
とある人達と出会ったからだが、それをここに書いてその人達を褒めるのもなんかむず痒い気がする。
僕はその人達に救われた思いだが、当の本人達はそんな事なんとも思ってないだろう。

まあ一つ言えるのは、昔の僕のように人の顔色を伺ってしまう事で悩んでる人達、これだけははっきり言える、

「誰も、あなたの事なんか気にしていない。だったら、好きにした方がいい」

という事だ。
失敗しようがミスしようが、恥をかこうが落ちこもうが、死ぬわけじゃない。
生きてればこっちのもんなんだから、人の顔色を伺ってるなんて、それこそ死んでるのと同じだ。



かわいい。