フミヤは
小学生の時分
かけっこが苦手だった。
競争
というものが
わからなかった。
かくれんぼをしても
すぐ見つかった。
隠れる
ということが
わからなかった。
ままごと
は楽しかったが
女の子たちと
遊んでいると男の子から
からかわれた。
なぜ、
からかわれるのか
わからなかった。
ある日
公園の砂場で
遊んでいたら
白いワンピースの
女の子が一緒に遊ぼうと
話しかけてきた。
鬼ごっこをしている
男の子の仲間たちに
足の遅いヤツは入れないと
言われ仲間はずれに
なっていたフミヤは
頷いた。
砂で城を作りながら
フミヤと女の子は
夢中になり
砂を掘って穴が
空いてきた。
女の子が手を止めて
フミヤに言った
ここに隠れれば
見つからないよ。
名前を呼ばれて
目を開けたら
男の子の仲間たちが
心配そうに覗き込んでいた。
自分で穴を掘って
足を入れて
砂をかけていたらしい。
お前は
俺たちと遊んだほうがいいと
ガキ大将の男の子が
フミヤの手を引っ張って
穴から出してくれた。
フミヤは
男の子たちと
遊ぶようになった。
一生懸命に走れば
早く走れることも
かくれんぼも
うまく隠れるように
ガキ大将が教えてくれた。
たまに
女の子たちの
ままごとに入りたい
と思ったけど
見ているだけにした。
ここの
公園の花壇には
ひなげしが
たくさん咲く。
女の子を亡くした
母親が毎年のように
種を蒔き丹精する。
ひなげしの花は
公園で遊ぶ子どもたちを
見守るように
風に揺れていた。
