一番最初に
てっぺんに
登った人が勝ち!
誰かが言った。
ドンドン登っていく
遅いぞ
ジュン
早く来いよ!
ああ
答えたところで
目が覚めた。
朝のコーヒーを
飲みながら
思い出そうとしたが
頭の芯がボンヤリ
している。
近所の公園の
ジャングルジムでは
ないように思ったが
行ってみた。
一番上に
登った。
子どもたちが
不思議そうに
話しかけてきた。
大人なのに
なぜ
登ったの?
昔は
よく登ったから
と、答えた。
しばらくの間
景色を眺めていが
アパートの二階の部屋が
ジャングルジムの
てっぺんから
見えた。
母親が
子どもを
折檻していた。
町内の知恵袋
ご隠居たちに集まってもらい
相談をした。
子どもを折檻している
母親は水商売
母ひとり子ひとりの
母子家庭だった。
ウワサ話では
母親は酒癖が悪く
飲んで仕事から帰ると
子どもに当たるらしく、
朝の登校前など
グズグズする
子どもに手を上げた。
ご隠居たちは
思案を巡らした。
花屋の店主が
妻を亡くし、そろそろ
一年経つ。
ここはひとつ、あの女に
合わせてみては
いいのではないか。
ジュンに
白羽の矢が当たり
花屋の店主を誘い
女の勤める店に行った。
二人は
うまくいき
ご隠居たちは
祝杯を挙げた。
今は親子三人で
仲良く暮らす。
花屋のカミさんになった
女は、愛想よく
客あしらいも
上手だ。
花屋の女房になったと
挨拶回りをした時は
子どもを折檻した女とは
思えないくらい
優しい顔をしていた。
ジュンが
ツカサ姐さんの
買い物に付き合い
花屋の前を
通った。
ジュン
気をつけてな
花屋の店主が
お使いに行く息子に
声をかけていた。
ツカサ姐さんが
ジュンの顔を見て
笑った。
あの夢の
ジュン は
この子だったのか?
ジュンは
ツカサ姐さんの
顔を見て、
うなづいた。
