ツカサ姐さんは
ごきげんだった。
デパートの
外商員の
若い男から
モナリザのようだ
と、言われた。
いろいろ
褒められてきたが
モナリザ と言われたのは
初めてだった。
ジュンは
いつも、きれいだよ
と、言ってくれるが
モナリザは
言ったことはない。
うふふ
思い出し笑いが
浮かぶ。
今夜は
ジュンが、美味しいと
言ってくれた
鯖寿司に
ハマグリの
お吸い物にしようか?
デパ地下を
見てまわっていたら
自分の顔を
じっと見つめている
人が何人もいた。
やっぱり
私って、モナリザ?
買い物を済ませ
トイレに
立ち寄った。
モナリザの
顔を見なくちゃ
ツカサ姐さんは
鏡を見た。
眉を
描くのを
忘れていた。
ジュンが
修理品の出来上がりが
今日だから
自分で取りに行く
と、言っていたのを
私が行くから
と、慌ただしく出てきた。
たしかに
モナリザには
眉が無いわね。
その夜の
鯖寿司に
ハマグリの潮汁は
出なかった。
作り忘れたらしい。
