ジュンが
ツカサ姐さんと
長年通っている
中華料理店がある。

ツカサ姐さんの
大好物の小籠包が
絶品で、私も何回か
連れて行ってもらった。

この中華料理店で
働く若い女の子がいた。
秀梅ちゃんという、
大人しそうな面差しの
小柄で、よく気のつく
ジュンのお気に入りだった。

わざと
私の彼氏を呼び出して
運転してきた
シャオワンに
引き合わせたようで
秀梅ちゃんと
シャオワンは
うまくいっているようだった。

最初の頃は
ジュンをタイコータイと
呼ぶようになった手前
気を使って、付き合いだしたが
ウマが合ったようで
今では、すっかり
仲のいい
恋人同士になった。

二人とも
苦労をしてきた人間で
お互いの気持ちが
わかるようだ。

ジュンが
シャオワンに
指輪でも買ってやれと
お金を渡したとき
驚いたシャオワンは
何故、そんなことを
してくれるのか
聞いてきた。

昔、俺が
お前のタイコータイに
やって貰ったからだ
と、答えたジュンに
シャオワンは
言いにくそうに
口を開いた。

秀梅ちゃんは
ジュンのことが
本当は好きだった
と。

秀梅ちゃんは
猫舌のジュンのために
いつも、氷を沢山入れた
水のグラスを運んで来た。
ちゃんと客の様子を見て
動く、けなげな姿を
年の離れた妹のように
思っていたと話した
ジュンは
シャオワンに
言った。

これからは
お前が秀梅を守ってやれ
と。

シャオワンは
涙ぐみながら
ジュンから
お金を受け取った。

タイコータイには
内緒だぞ
と、片目をつぶったジュンに
シャオワンは
泣きながら
何度も頷いた。






シャオワンは
いつか、タイコータイに
恩返ししたい
と、ジュンと
同じ口ぐせを言うようになった。

タイコータイは
兄貴  大哥大と書く。

シャオワンも
ジュンのように
いつか 誰かに
" 恩返し "
をする時が来るのだろうか。